姉弟子
僕の姉弟子で小円歌という人がいます。小円歌師はご存知の通り、寄席で二人しかいない三味線漫談家であります。その姉弟子の会が昨日、国立劇場演芸場で行われました。僕は出番はないんですが、鳴り物のお手伝いで行ってきました。
小円歌師、独演会は久しぶりだそうですが、ずいぶんな気合いの入れようです。
なんせ今回は、「たぬき」を上演します。「たぬき」というのは伝説の音曲師、立花家橘之助が十八番にしていた演目で、語り有り音曲有りと大変難しいネタです。プラス踊りや鼓(つづみ)も入れて四十分の長講であります。私は太鼓や鉦や柝などの鳴り物を担当します。
ゲストは我々の師匠、三遊亭圓歌。小円歌師と師匠の対談もありました。二十数年前、自分の国立演芸場での独演会で初高座を踏ませたその弟子が、同じ舞台で師匠をゲストに呼んで独演会を開く。満員の客席に、ありがとうございますと頭を下げる師匠。対談も涙、涙になるかと思いきや、爆笑の連続。小円歌師の、内弟子の頃のエピソードに、僕も脇で笑ってしまいました。
さて、いよいよメインの「たぬき」。照明も駆使して秋の風景を醸し出しました。高座の後ろの障子を開けて、その後ろにススキをあしらうという舞台背景。小円歌師は三味線を弾いたり、歌ったり、踊ったり、鼓を打ったり、早変わりもしたりと大忙し。あっという間の四十分でした。幕が下りるときの大きな拍手というのは、芸人冥利につきるものです。素晴らしい出来でありました!
