Nagoya Talents' Network - blog

2008/04/23

崖っぷちの椅子

古めの清潔な喫茶店が好きだ。
テーブルや壁のちょっとした傷、
聴こえるとはなしに漂う音楽、
見ただけで味が想像できるメニュー。
そして、何故か置いてある『課長 島耕作』。

安心するのだ。

程よい人との距離感。
かまわれないけど、ほっとかれてない感じ。
とでも云おうか。

店の主の、
見るとはなしにこちらの様子を見ていてくれる感じが、
やさしく包まれるようで、
好きなのだ。

そういう理由で、
よく使う各主要駅には、
私のお気に入りの喫茶店があるのだが、
そういう古めの喫茶店が、
今、バタバタと閉店、或いは、改装している。




さて、
渋谷の宮益坂の中ほどにある、喫茶店。

15年来の俳優の友人に連れて行ってもらった、
初めて入る喫茶店だ。



「こんにちは~。」
「いらっしゃ~い。」

っいいね~。
喫茶店に「こんにちは~」って入れるってことは、
馴染みの客ってことだからね。

そして、
「いらっしゃ~い」。
グラスを拭きながら迎えるエプロン姿のマスター。
年齢、体型、紆余曲折の上にかもし出される包み込むような笑顔。
「いらっしゃ~い」の向こう側に、
「おかえり」っていう言葉が滲み出てるね、いいよ~。
ベタでいいね~。

また、夫婦でやってるってのも、
お誂え向きだね、いいよ~。

ん~、『ちょうどいい』香りがプンプンします。

さて、椅子に腰を下ろして…

ん~、この椅子のきしみ感も『ちょうどいい』ですな。
っくぅ~、たまりませんな。
これから、贔屓にするよ、本当に。

椅子に肘掛が付いているのも、グ~だよ。

……ん?

変わった感じですね、この肘掛。
身体を曲げないと、しっくりこないの。
っていうか、
動くのね、この肘掛。
グラグラするね。


……

っお~~!
ネジが一個取れてる。

首の皮一枚で繋がってる肘掛。
こんな崖っぷちな肘掛、初めて見た。

なんか、面白いな。

と、
今度は、左側の肘掛にひじをかけると、
全く別の感じ。


……

ぅおぅ~~!!
肘掛が取れてるじゃん!!

パイプがむき出しになっとりますっ!
ネジの穴が2つ、
「どうも、こんなことになっちゃってまして…」
よろしく、こっちを見ております。
住み込みの旅館に面接に来た夫婦みたいになっとります。


カンペキだ。


本当に面白いのって、
必ず『哀愁』があるじゃないですか。

そういう意味で完璧でした。


好きです。
こういうの。


インスピレーションって大事。
この喫茶店が、好きになった。





この喫茶店も、近く、改装するらしい。
2comments
Comments
  • 1

    いつもおじゃましています
    実家が増えてゆくようで
    凄くイイ!
    消えて行くのが…多過ぎてネェ~♪

    神田きらりが元気だから
    ブログが楽しみ
    神田きらりの元気が好き~イ!

    by: エルモ, on 2008/04/23
  • 2

    エルモさま

    返信遅くなって申し訳ありませんでした。
    いつもコメント、ありがとうございます。
    今後ともよろしくお願い致します。

    by: きらり, on 2008/04/28
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