Nagoya Talents' Network - blog

2007/11/13

会いたい人

去っていく人、見送る人。

見送る側は、だいたい、つらい。

人と会った別れ際、私は、あえて振り返らない。
振り返って、後姿を見送るのが寂しいからだ。
振り返って、もう一回、
「バイバーイ」くらい云いたいところだが、
ぐっと、我慢して振り返らない。

生きている人は、また、会えるから良い。
「死」をもって去って逝かれたら、やりきれない。

私の人生の中にも、幾つかの、そういう悲しいことがあった。

その中に、
「十代 桂文治」という噺家がいる。
文治師匠。
大好きな師匠だった。

2004年1月31日に逝ってしまった。
落語芸術協会会長職任期満了が、1月31日。
そこだけ、ちゃんとしすぎだよ。

子供がそのまんま大人になったような師匠で、
文治師匠の逸話は、他の師匠方の本にも登場する。
稚気があって、女性は皆、文治師匠が好きだったんじゃないかな。
すごい失礼な話だけど、かわいいんです。
文治師匠は。

女性には比較的やさしくて、私も、やさしくしてもらいました。
楽屋にいて、女で良かったと思ったのは、これが唯一です。

入門して2年しか、文治師匠に触れることはできなかったけれど、
文治師匠に間に合ったこと、
そして、自分の頭の中の楽屋風景の中に文治師匠の姿があることは、
宝だ。

楽屋にいると、ふと、文治師匠が入ってきそうな気がする時がある。
会いたいなぁと思う。心から。

文治師匠のお弟子さんや、
もっと長く文治師匠と接していた方々を差し置いて、
私如きが、文治師匠を語るのは憚るが、
今夜だけはお許しいただきたい。

相変らず、
12月24日『クリスマス・イブ キラキラ☆BOX』の告知活動。
今日は、新宿駅近くにある「酒寮 大小原」さんへチラシを置かせていただきに行ってきた。
ここは、文治師匠が好きだったお店のひとつで、
文治師匠の「書」や「絵」や「写真」も沢山飾られている。

講談新宿亭が終わって、打ち上げに参加して、
その足で、一人、大小原さんへ。
閉店間際。

ご主人が出してきてくれた、
文治師匠が着ていた黒紋付。

文治師匠は、いつも着物だった。
だから、師匠の着物を畳むことは少なかったけど、
袴は良く畳ませてもらった。

文治師匠の着ていた黒紋付。

ご主人にお願いして、畳ませてもらった。
涙が出た。

あれから、もうすぐ3年が経とうとしている。

私は、あれから、二ツ目に昇進して、
今、こうして、自分と戦ってる。

悲しいのか、元気をもらったのか、
今、よくわからない。

でも、時間は過ぎていく。
悲しかろうが、楽しかろうが、
時間は止まらないで過ぎていく。

それでいいんだ。

ただ、どうせ過ぎてく時間なら、
自身で納得して過ごしたい。

明日もがんばろう。
今夜は、もしかしたら、夢で文治師匠に会えるかも知れない。
2comments
Comments
  • 1

    大御所の方と一緒の空間に居れる立場にあるのは羨ましいです。
    ほんとうに良い宝をお持ちですね。
    僕からしたら、浅草演芸ホールや
    新宿末廣亭の裏口から出入りするのすら羨ましいですよ。

    いつかきらりさんとお会いしてお話したことも
    僕の宝になっちゃうんだろうなぁ〜。

    by: よしの, on 2007/11/13
  • 2

    よしのさま

    そうですね。
    でも、私の目から見ると、よしのさんの仕事を見ていて羨ましいと思う部分もあるんですよ。
    餅屋は餅屋。
    それぞれの世界でプロフェッショナルになりたいものです。
    がんばりまっせ。
    よしのさんの、宝に…私が…
    プレッシャーかけすぎだよっ!!
    コメントいつもありがとうございます。

    by: きらり, on 2007/11/13
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