講釈師の七つ道具(1/4)
アナタは、講談師に会ったことがありましょうか?
いわんや、講談師と食を、会話を、ウィンドウショッピングを共にする…
そんなことが、経験としてありましょうか?
「ある」と云うアナタは、この平成の世において、かなりエッジの効いた方であります。
現在、日本国内で『講談師・講釈師』を生業とする者は73名。
東京に於いては56名であり、私、神田きらりはその内の一人です。
今、こうして、私のブログをお読みいただいているアナタ、
どうぞ、千載一遇、一期一会だと思し召して、一度、講談を生で聴いてみてください!
さてさて、前置きが長くなりましたが…
そんな珍しい、講釈師の七つ道具をご紹介してみようと思います。
必ず、上の写真の物はカバンに入っています。
数えたら七つ越えちゃってる。
『講釈師☆神田きらりの必需品』ってことで、紹介しまっす!
一、張扇(はりおうぎ)と扇子と手ぬぐいの1セット
張扇(白いヤツ)…これで、釈台という机を叩いて調子(リズム)を取りながら、血湧き肉躍るように、迫力をつけて読んでいきます。(講談では、話すと云わず「読む」といいます。その辺りもおいおいご紹介していく予定です)日本中、どこを探しても売ってません。東急ハンズにも無いヨ!講談師が、それぞれ、自分の調子や声に合わせて、自分でカスタムメイドします。中身は竹の棒の芯と厚紙の台紙一枚。それを、西の内手漉き和紙(茨城県の和紙)で、クルクル巻いていく。一方にだけ糊をつけて、貼り重ねていきます。使用する糊は、でんぷんのり。これを、少し水で薄めて使います。こうすると、和紙を切るときに手でカンタンに切れて、しかも、切れ目、貼り目が分からなくなって、カッコイイ張扇ができちゃう。
二、懐中時計
何しろ、時間厳守。どんな仕事でもそうですね?特に寄席は、分刻みで番組が進行していくので、楽屋の入り時間も大事なのですが、高座時間を厳守しなくてはいけません。基本的には、一席15分目安。その日の進行状況によって、タテ前座さん(前座さんの中で一番年季を積んだ人)が、寄席の時間配分をします。「何分に高座を降りて下さい」という指示に従うわけです。高座の正面(客席の後ろの壁)に時計があるのですが、「あ、時計見てる」って、お客様に思われてしまうと話(読み物)の雰囲気が壊れてしまうので、手元の懐中時計でさりげなく時間を調整しつつ、時間通りに終わるように高座を勤めます。
今日は、高座で使うアイテムをご紹介しました。
つづきは、また、明日。