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2008/04/09

魂のサウンド!ブラジルミュージック

 ブラジルの低貧民層の中で生まれたある男が、同じような境遇の子供やギャングの少年を音楽で救う。その姿を追ったドキュメンタリー映画、「ファヴェーラの丘」。

「ファヴェーラ」とは、ブラジルの第2の都市、リオ・デ・ジャネイロに点在するスラム街の呼称です。19世紀、戦争から帰ってきた男たちが丘陵地にバラック小屋を建て不法占拠したことが発端で生まれたリオのスラム街。今は21世紀なので、気がついたら200年以上の歴史をもつ、ブラジルを語る上で外せない、1つの文化にまでなっているようです。

映画で観たリオの街は、有名なキリスト像の高台から見下ろすと、岩山と「ファヴェーラ」で形成されていました。日本でも川ぞいや公園、橋下にバラック小屋(ダンボールハウス?)が建ちますが、リオの場合は、日本の上野バラックの100倍ほどの大きさなので圧倒されます。漫画「AKIRA」の崩れた新東京の街並みのようです。そのくらいブラジルの都市では、貧困街が占める割合が高いのです。そこには麻薬の売人がいて、子供は小さな頃からギャングのボスになるのが将来の夢だと語ります。昔の日本のOLは、3高(高身長、高収入、高学歴)と言っていたそうですが、ファヴェーラの場合は、ギャングの世界で生きていると女性が寄ってきます。

私が「ブラジル」と聞き思い浮かべるのは、サッカーやリオのカーニバル。調べてみるとブラジルには、リオ・デ・ジャネイロの海岸地帯に住んでいた中産階級の人々がつくりだした「ボサノバ」や、少し前に、日本でもブームとなった「サンバ」など、数多くの音楽がありました(何故かブラジルで聞けないブラジル音楽が日本では聞けることがあるらしい)。中でも興味深かったのが、カポエイラ。これは映画の中にも登場してくるのですが、ブラジルで16世紀ごろ生まれた、音楽に合わせて体を動かすダンスのような格闘技。カポエイラとは、アフリカ系の黒人奴隷が看守にばれないようにダンスにみせかけて、手かせをしながら格闘技の練習をしていたのが発祥だそうです。

映画の主なキャストは、アフロレゲエというグループ。彼らは暴力的な麻薬組織、ギャングや警察による不当な圧政に対抗するために生まれました。映画の中では小学校にも小さい子にも音楽をやろう!と呼びかけます。そうすることで麻薬や暴力以外、何もないようなスラムという街に、音楽という希望を与えます。この映画でいくつか見ることの出来るライブの場面で、ブラジルの怒りや、やりきれなさからを表現しているブラジルミュージックの強いサウンドに何度も感動してしまいました。ブラジルの音楽=民衆が訴えるメッセージ、彼らにとって音楽とは、圧政や暴力に対抗するための1つの方法なのだとということを強く感じました。

映画を通してブラジルの人はみんな、リズム感がある音楽が好きで、声も足も、体全体を使い楽しんでいる様子が画面からあふれ出てきました。かたや、暗い映画館の中で2時間座りっぱなしの私。なんだか不健康な思いをもってしまい心苦しかったです。近年、日本の流行発信地で展示会が行われるなど、注目されているブラジルファッション。映画を観てしまった私は、カラフルなサンダルの陰にはブラジルの抱える悩みがあるのだと考えさせられそいうです。なんて梅雨の国で暮らす私は、じとっと閉めそうになりましたが、太陽の国で育つ彼らは、悩んでも苦しんでも色鮮やかににカラっとしていそうです。

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