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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2009/02/20

「人はなぜ大食いするのか?」(7)・・・ドイツ・環境問題編

先週のコラムでは、ドイツにおける食習慣は「個人」「家庭」に一任されるのに対し、日本における「食育」を中心とした食習慣の指導は、どちらかというと公的機関(学校・ひいては国家)が主導して行われる側面が強いことを説明しました。そして、その食文化を描写するマスコミもその影響の範囲外には無いようです。

今年で5年目に突入しようという『元祖!大食い王決定戦』(TV東京)の根底にもまた、「好き嫌いなく何でも食べる」「残さずキレイに食べる」という道徳的価値観がフルに描写されております。タブーの多い「大食い」の世界にあえて挑戦し続けてきたテレビ東京が、今年はいかなる新しいメッセージを発信していくのか、今後とも是非注目して観ていただければと思います。

さて、日本において「食育」と「徳育」の結びつきが強いこととは対照的に、ドイツでは食べ残しを戒める風潮がイマイチなことは、以前のコラムで取り上げた通り、私が常日頃から疑問に思ってきたことでもあります。この違いは、どこから来るのでしょうか?私は、ドイツにおけるゴミの分別収集の1つであ『ビオミュル』にその一因があるのではないかと考えています。

『ビオミュル(Biomüll)』とは何かを説明するためには、ドイツにおける家庭ゴミの収集方法について説明する必要があるかと思います。ドイツでは、自治体により多少の違いはあるものの、各家庭で回収するゴミは大きく3つにに分別され、それぞれ黄・茶・黒の三色の大型容器に入れて出すように指示されています。

http://www.planet-schule.de/wissenspool/bg_konsum_striptease/konsum_striptease/hintergrund/biomuell.html
(↑三色の容器の写真があります)

1.リサイクル用資源ごみ(Gelbe Sack,Gelbe Tonne):ヨーグルト等のプラスティック容器、牛乳パック、梱包剤など。黄色い容器ないし黄色い袋に入れて出す。

2.ビオミュルBiomüll(Bio-Tonne,Braue Tonne):いわゆるバイオごみ(有機物由来のゴミ)。食べ残し(生ゴミ)、庭仕事で出る葉・草、コーヒーフィルター、ちり紙などが含まれる。茶色の容器に入れて出す。

3.その他のゴミRestmüll(Schwarze Tonne):上記にあてはまらないゴミのうち、別ルートでリサイクルに回る古紙・ガラス・古着・粗大ゴミ・電化製品を除くものは全てこちらに入る。最終的には焼却処分されるため、日本でいう「燃えるゴミ」にあたる。黒い容器に入れて出す。

古紙・ガラス・古着は街角のいたる所に設置されているコンテナへ、粗大ゴミや電化製品は各市町村のリサイクルセンターへ、各自が持って行くことになっています。ミュンヘンでは「黄」(プラスティック容器)は分別せず、その他のゴミと一緒に焼却しているそうです。ちなみに、私の住んでいる自治体では、「茶」つまりバイオごみの収集が無く、生ゴミは全て燃えるゴミとして出すことになっています。このように、ゴミ収集方法は、各自治体の裁量に任されています。

それでは、この『ビオミュル』と大食いは、どう結びつくのでしょうか?これについては来週に続きます。


参考資料
PlanetSchule–Wissenspool–Hintergrund:Biomüll
2008年11月9日オンエア「Galileo:Öko-Mythen」(ProSieben)