徹底検証?! 大食いの資質(10)・・・のどヂカラ・「鵜飼いの鵜?」(前編)
2008年もいよいよ終わりに差し掛かってきました。日本では、お正月の頃になると、お餅でノドを詰まらせる小児や高齢者のニュースをよく耳にします。そのような窒息事故を防ぐためにも、「元祖!大食い王決定戦」(TV東京)の大食い選手の資質である「のどヂカラ」について理解を深めていただくことは有益なのではないかと考えます。
前回の日本への一時帰国中、あるテレビ番組に遭遇しました。「こんなステキなにっぽんが…『父から受け継いだ鵜匠のこころ』〜岐阜県関市」(NHK)なるタイトルのこの番組は、長良川中流・関市の小瀬地区における、手漕ぎ船での鵜飼漁によるアユ獲りについてのドキュメンタリーでした。50年の伝統を誇るというこの漁法と、それを取り巻く人間模様を中心に描いた番組でしたが、この番組で私が最も注目したのは、人間よりもむしろ鵜についての内容でした。
番組によると、「いい鵜の条件」とは、次の3項目だそうです。
1.) 体が大きいこと
2.) 首が太いこと
3.) 羽根ツヤが良いこと
それまで漫然と画面を眺めていた私でしたが、これを聞いた瞬間、思わず身を乗り出してしまいました。これらの項目は、私がこれまでのコラムで挙げてきた内容と、見事なまでに重なっています。以前のコラムでも、体が大きいことは大食い選手にとって有利な資質であることを検証しました(→徹底検証?! 大食いの資質(2)…胃ヂカラ・体格編(座高)、→徹底検証?! 大食いの資質(3)…胃ヂカラ・体格編(肩幅))。また、鵜でいうところの「羽根ツヤの良さ」は、人間でいうところの「若さ」に他なりません。実際の年齢よりも見た目の年齢が重要で、菅原初代さんや梅村鈴さん、正司優子さんなどに代表されるように、「(年齢の割に)肌ツヤが良いこと」もまた、大食い選手の重要な資質の1つです。(→徹底検証?! 大食いの資質(5)…胃ヂカラ・膨張率編、→徹底検証?! 大食いの資質(6)…胃ヂカラ・胃腸パワー編)
そして、鵜匠の言葉を借りるまでもなく、2)の「首の太さ」も実は、大食い選手の生命線の1つとも言える重要な資質の1つなのです。
当番組に出演された選手で考えてみましょう。大食い界不滅のキングであるジャイアント白田さんは、体も大きく、そのためなのか首も太く、まさに大食いに適した肉体の資質を全て備えている人物です。また、「テレビチャンピオン」(TV東京)時代の無敵な若さは無いとしても、やはり年齢の割には羽根ツヤならぬ肌ツヤは良い方だと言えるでしょう。逆に、タレントとして活躍中のギャル曽根こと曽根菜津子さんは、女性としては体が大きい方で、若さも肌ツヤも備えていますが、首は細いです。彼女を口の中から観察すると、口腔内は広いのですが、ノドの造りは比較的小さく、大食い競技における「スピード」が出にくい構造であることは否めません。
華奢な女性選手たちは言うに及ばず、前回登場の新人・木下智弘さんといい、最近の「元祖!大食い王決定戦」に登場する選手は、首が細いタイプの選手が随分増えてきた印象があります。そんな選手たちが、画面を埋め尽くすかのように精一杯その口を開けて、山盛りの食べ物を運んではゴクンと飲み干すダイナミズムこそは、まさに伝統50年を誇る長良川の鵜飼いの世界にも通じる荒技に見えてきます。
それでは、「首が太い」ということは、医学的にどのようなことを意味するのでしょうか。これについては、来週に稿を改めて検証してみたいと思います。





