2008/12/05
徹底検証?! 大食いの資質(9)・・・あごヂカラ・「ストイックなエラい人たち」
最近すっかり「元祖!大食い王決定戦」(TV東京)の顔となった、当連載でもおなじみの女帝・菅原初代さんですが、彼女の強さの秘密がその歯の強さと咬筋の発達にあるということは、以前のコラムでも分析しました(→女帝は歯が命?!…菅原初代・女帝の資質(2))。
「歯の強さ」と「咬筋の力の強さ」という 2つの要素は、「狭い意味でのあごヂカラ」とも言い換えることができます。菅原さんが他の誰よりも超ハイピッチの、まさにダーウィンも真っ青の急激な進化 を遂げた背景には、あごヂカラでのアドバンテージがあります。当番組に登場する女性選手にこの資質があまり強くない人が多かったことも関係あるでしょう。 では、この資質は果たして天賦のものなのか、それとも後天的なものでしょうか?
原理原則に立ち返るなら、大食い行為とはそもそも、それが自分の意志なのか否かは別にして、人の何倍もの量の食べ物を口に運ぶ行為です。その行為を続けているうちは、歯の摩耗もアゴの筋肉疲労も歯肉の炎症も、全てが人の数倍のペースで進むことになります。となると、特に日常的に大食いをする人はどうしても、柔らかい食べ物を好んで摂取する生活にシフトしがちになるであろうことは、ある程度想像できます。当番組で以前、「テレビを観ながら、コンビニで大量に買い込んだパンをながら食い」という、とある選手の自宅 でのカットが放送されたことがありましたが、このスタイルは実は、医学関係者の視点で見ると、非常に多くのことを語っているシーンでした。
その「狭義のあごヂカラ」を磨き上げようと思ったら、そんな典型的な日常に収束するのではなく、敢えて坂道を全速で駆け上がるような、何らかの鍛錬の継続 が必要になってくるでしょう。アゴの筋肉も、手足などの他の筋肉と同じで、柔らかいものばかり食べていては、その力は衰えてくるはずだからです。ただし、 硬い食材の大食いを続ければ、当然アゴは非常に疲れるでしょうし、歯が欠けたりとれたりもするでしょう。
そういう意味でも、楽しく食べることとは対極にすらある、ある種のストイックさを食生活に持ち込まないと、この大食いという世界では大きな成長は望めないと言えるでしょう。その点でも、菅原初代さんの台頭は番組にとって大きなターニングポイントでした。番組内でどんなに楽しく笑顔で食べているように見える選手でも、成績の向上のあるケースでは必ずと言って良いほど、その陰でそれぞれ人一倍の努力があったと想像することを、視聴者は面倒くさがってはいけません。その中でも特に、菅原初 代さんの偉大さは、そういう努力を周囲に隠さなかったということにもあります。楽しいばかりでは決してない大食い人生としっかり向き合っている彼女を、周囲の他選手も見て少なからず影響を受けています。その微妙な相互作用がもたらす番組の方向性の変化は、テレビ画面からも十分に読みとることが可能です。
ちなみに、先ほどから「咬筋」とばかり書いていますが、厳密には、いわゆる「エラ」と言われる「咬筋(musculus masseter)」だけではなく、「こめかみ」に分布する「側頭筋(musculus temporalis)」も、食べ物を噛む際に重要な筋肉です。長期に渡る大食い行為には、必然的に唾液腺の肥大を伴うこともあり、大食い選手のエラの張 りを見るだけでは、実はアゴの力を判定するには不十分なのです。従って、次回以降のオンエア映像では、菅原初代さんや高橋実桜さんなどの食べる姿のアップが映ったら、そのこめかみのあたりも、光り滴る汗とともに観察していただけると、また新たな発見があるかもしれません。
「歯の強さ」と「咬筋の力の強さ」という 2つの要素は、「狭い意味でのあごヂカラ」とも言い換えることができます。菅原さんが他の誰よりも超ハイピッチの、まさにダーウィンも真っ青の急激な進化 を遂げた背景には、あごヂカラでのアドバンテージがあります。当番組に登場する女性選手にこの資質があまり強くない人が多かったことも関係あるでしょう。 では、この資質は果たして天賦のものなのか、それとも後天的なものでしょうか?
原理原則に立ち返るなら、大食い行為とはそもそも、それが自分の意志なのか否かは別にして、人の何倍もの量の食べ物を口に運ぶ行為です。その行為を続けているうちは、歯の摩耗もアゴの筋肉疲労も歯肉の炎症も、全てが人の数倍のペースで進むことになります。となると、特に日常的に大食いをする人はどうしても、柔らかい食べ物を好んで摂取する生活にシフトしがちになるであろうことは、ある程度想像できます。当番組で以前、「テレビを観ながら、コンビニで大量に買い込んだパンをながら食い」という、とある選手の自宅 でのカットが放送されたことがありましたが、このスタイルは実は、医学関係者の視点で見ると、非常に多くのことを語っているシーンでした。
その「狭義のあごヂカラ」を磨き上げようと思ったら、そんな典型的な日常に収束するのではなく、敢えて坂道を全速で駆け上がるような、何らかの鍛錬の継続 が必要になってくるでしょう。アゴの筋肉も、手足などの他の筋肉と同じで、柔らかいものばかり食べていては、その力は衰えてくるはずだからです。ただし、 硬い食材の大食いを続ければ、当然アゴは非常に疲れるでしょうし、歯が欠けたりとれたりもするでしょう。
そういう意味でも、楽しく食べることとは対極にすらある、ある種のストイックさを食生活に持ち込まないと、この大食いという世界では大きな成長は望めないと言えるでしょう。その点でも、菅原初代さんの台頭は番組にとって大きなターニングポイントでした。番組内でどんなに楽しく笑顔で食べているように見える選手でも、成績の向上のあるケースでは必ずと言って良いほど、その陰でそれぞれ人一倍の努力があったと想像することを、視聴者は面倒くさがってはいけません。その中でも特に、菅原初 代さんの偉大さは、そういう努力を周囲に隠さなかったということにもあります。楽しいばかりでは決してない大食い人生としっかり向き合っている彼女を、周囲の他選手も見て少なからず影響を受けています。その微妙な相互作用がもたらす番組の方向性の変化は、テレビ画面からも十分に読みとることが可能です。
ちなみに、先ほどから「咬筋」とばかり書いていますが、厳密には、いわゆる「エラ」と言われる「咬筋(musculus masseter)」だけではなく、「こめかみ」に分布する「側頭筋(musculus temporalis)」も、食べ物を噛む際に重要な筋肉です。長期に渡る大食い行為には、必然的に唾液腺の肥大を伴うこともあり、大食い選手のエラの張 りを見るだけでは、実はアゴの力を判定するには不十分なのです。従って、次回以降のオンエア映像では、菅原初代さんや高橋実桜さんなどの食べる姿のアップが映ったら、そのこめかみのあたりも、光り滴る汗とともに観察していただけると、また新たな発見があるかもしれません。





