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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2008/09/26

徹底検証?! 大食いの資質(1)・・・「神に選ばれし者」の医学的意味

大食いファン待望のテレビ東京の看板番組(?!)「元祖!大食い王決定戦」は、いよいよ9月28日(日曜)オンエアの予定です(予選版14:00~16:00、本選19:00~22:00)。今大会は、予選の段階で既に「いささか飛ばし過ぎでは?」と思う程レベルが高く、その話を見聞きした本選出場者たちにも良い意味での緊張感をもたらすという、思わぬ相乗効果がありました。その結果、先月の北京オリンピックや夏の甲子園にも決して引けをとらない、近年まれに見る熱戦続きの大会となりました。古くからコアな大食いファンを自認する人から、大食いには全く興味が無かった人まで、色々な楽しみ方があるかと思います。それでも特に今大会は、予選版から見ていただいた方が、面白さが倍増すると思われます。日曜昼間にご都合が悪い方は、今のうちにビデオ予約されることを強くお勧めいたします。

さて、当番組専属の健康管理医師としての仕事を始めてから、今大会でちょうど3年半が経過しました。私にとってこの番組は、いままで受けてきた医学教育および、医師として勤務した診療経験のすべてを駆使して取り組むべき、未知の科目の応用問題のような存在でした。「競技型大食いのメカニズム」「大食い大会の健康管理法」なる授業もなければ、そんな医学書も巷には存在しません。マニュアルもガイドラインも一切ない状態からのスタートでした。

私がこの仕事を引き受けるようになった当初から取り組んできた疑問の一つに、「大食い選手の資質とは?」というのがあります。というのも、司会の中村有志さんが当番組内で、「大食いは、神に選ばれた者のみに許される行為です!」などと毎回のように叫んでおられるからです。

以前、大食い番組が乱立して賞金も跳ね上った「大食いバブル」の時代がありました。そして、当時の番組を真似した視聴者が窒息死するという不幸な事件により、そのバブルが一瞬にして崩壊しました。さらに引き続く三年間、放送局は一斉に大食い番組を自粛しました。いわゆる「大食い・冬の時代」というやつです。それまで大食い番組を席捲していた有名選手たちが、一斉にその活躍の場を失いました。

確かに、彼ら大食い選手がやっていることは、常人の域を脱しています。誰にでも出来ることではありません。しかし、昔の番組では、そのことを発信し足りなかった…そういう思いが、毎度の中村さんの叫びという形で、こめられているのでしょう。それはそれとして、果たして彼らのその資質は、神に与えられたものなのでしょうか。それとも、個人の努力で獲得できるものなのでしょうか。

この疑問を解く手始めとして、これまた当番組内で以前から提唱されている「大食い三大ヂカラ」をひな型に、まずは「大食いの資質」に対して医学的解説をしてみたいと思います。ちなみに、「大食い三大ヂカラ」とは、「胃ヂカラ」(胃の容量)、「あごヂカラ」(噛んで飲み込む力)「忍耐ヂカラ」(それらをコントロールする精神力)というものです。

考えやすくするため、これらを次のように整理分類してみました。

1. 胃ヂカラ

   a.) 体格の大きさ(
体格の大きさ)

      b.) 体脂肪率の低さ(体脂肪率の低さ
)

   c.) 腹壁の伸縮力

   d.) 消化吸収能力の高さ

   e.) 胃腸の蠕動運動の強さ

2. 顎(あご)ヂカラ+咽喉(のど)ヂカラ(咀嚼力と嚥下力)

   a.) 口腔内の広さ

   b.) 咽喉(のど)の大きさ

   c.) 咀嚼力の強さ

   d.) 嚥下力の強さ

3. 忍耐ヂカラ + α

   a.) 飽きることなく同じものを食べ続ける忍耐力

   b.)  情報収集力

   c.)  分析力・状況判断能力

   d.) スポーツマンシップ

補助項目

i) ii) iii) : 後日公開
 
それでは、来週から個々の項目について検証してみましょう。