2008/07/11
大食い生体実験系?(2)〜キュウリとバナナの巻〜
<キュウリとバナナ・・・驚異のカリウムパワー>
一般的に、キュウリやナス・トマトなど、夏野菜に分類される野菜は体を冷やすとされています。「秋ナスは嫁に食わすな」などと言われるのも、嫁の体を冷やさないようにという姑の愛情だとされています(美味い食材を食べさせまいとする嫁イビリ説も有力ですが・・・)。生野菜もまた体を冷やすとされますが、暑い日本の夏においては、むしろ夏バテ解消や食欲増進の献立として、積極的に活用されています。
一方、「フルーツは体を冷やす」とも言われます。旅行で行った南の島があまりの猛暑で、すっかりヘロヘロになったけれども、キンキンに冷えた一杯のトロピカルジュースで生き返った・・・などという経験をお持ちの方もきっと少なくないことと思います。ただし、火照った体を沈めるために有用な食材も、冷え性に苦しむ女性にとっては、避けるべき食材となってしまいます。
さて、「元祖!大食い王決定戦」(TV東京)には以前、キュウリの大食いとバナナの大食いがありました。2007年春の女王戦の一回戦、夏野菜かつ生野菜たるキュウリの大食いに参加した女性選手8名は、競技中にひたすら「寒い、寒い」を連発していました。ロケ地となった2月末の横浜市の卸売市場内はしんしんと寒く、ただでさえ男性よりも冷えやすい女性たちが、生のキュウリをキロの単位で胃袋に納めていくのですから、体熱が胃袋からも体表皮膚からも逃げていってしまいます。また、大食い女性の中には深刻な冷え性の人も含まれ、カメラに写らない所に多数のカイロや毛布を仕込む必要がありました。
何とかトラブルなく撮影を終了することができ、ホッとしたのもつかの間でした。今度は彼女たち、先を競うようにトイレとの間の往復にはげみ始めました。何が起きたのかと思ったら、何と、それはキュウリの利尿効果だったのです。生野菜にはカリウムが豊富に含まれ、余剰塩分(ナトリウム)とともに過剰な水分も排出することが知られています。
今でも懐かしく思い出すのは、この時のギャル曽根こと曽根菜津子さんの「センセー、気持ち悪いほど(小水が)バンバン出るんだけどぉ~」という発言と、鳩が豆鉄砲を食らったような驚きの表情です。この時、医学的知識として知っていた内容と、目の前の女性たちの行動とがあまりに符合することに、私は妙な感動を覚えたものです。
「それはね、キュウリにはカリウムがたくさん含まれているからなんだよ…」
などとこちらから説明した瞬間、曽根さんがこれまた明瞭な納得の表情を見せたのも、これまた忘れられません。
また、2007年秋の男女混合戦の一回戦、南国の果実たるバナナの大食いでは、さらに面白いことがありました。キュウリの時と同様、バナナにもまた、体を冷やす効果と利尿効果があったのですが、この回では、さらに踏み込んだ医学的知見が観察されたのです。
実はこの試合の前日、本選出場の最後の一枠を決める「カレー南蛮うどん45分勝負」を勝ち抜いた菅原初代さんは、試合での過剰な塩分摂取がたたり、同日夕方に行われた健康診断の際、ひどい手足のむくみ(主に下肢)に見舞われていました。翌日の本選初日を迎えても、彼女の浮腫は強いままでした。しかし、初日の一回戦が「バナナの大食い45分勝負」だったことで事態は一変します。カリウム摂取に伴う余剰塩分排出と利尿効果の末に、彼女の手足から浮腫がキレイさっぱり消失したのです。15杯(3kg)のカレーうどんの塩分を40本(6kg)のバナナで洗い流すという荒業に、他ならぬ菅原さん本人が一番感激していました。
高塩分食を好む人や高血圧の患者さんが、野菜や果物のような高カリウム食材を積極的にとるようにと指導される理由は、ここにあります。もっとも、6kgのバナナを一気に食べることが、心臓や腎臓の弱い人はもちろんのこと、健康な人の日常生活においても、これまた明らかに「過剰摂取」だということも忘れてはいけません。食事は常にその全体量(総カロリー)と食材バランス(栄養素構成比)で考えないといけないことは、言うまでもありません。
そのことを十分に理解した上で、菅原初代さんと私はそれでも、菅原さんの身体におきたこの劇的な変化に、新鮮な驚きと感動を覚えたものです。同じ日のうちに浮腫がここまで極端に出たり引いたりするという現象は、大食い界でこそ観察されるものなのでしょう。この出来事を契機に、私たちはロケバス後部座席での「大食い生体実験系」の医学談義で盛り上がるようになるのでした。
一般的に、キュウリやナス・トマトなど、夏野菜に分類される野菜は体を冷やすとされています。「秋ナスは嫁に食わすな」などと言われるのも、嫁の体を冷やさないようにという姑の愛情だとされています(美味い食材を食べさせまいとする嫁イビリ説も有力ですが・・・)。生野菜もまた体を冷やすとされますが、暑い日本の夏においては、むしろ夏バテ解消や食欲増進の献立として、積極的に活用されています。
一方、「フルーツは体を冷やす」とも言われます。旅行で行った南の島があまりの猛暑で、すっかりヘロヘロになったけれども、キンキンに冷えた一杯のトロピカルジュースで生き返った・・・などという経験をお持ちの方もきっと少なくないことと思います。ただし、火照った体を沈めるために有用な食材も、冷え性に苦しむ女性にとっては、避けるべき食材となってしまいます。
さて、「元祖!大食い王決定戦」(TV東京)には以前、キュウリの大食いとバナナの大食いがありました。2007年春の女王戦の一回戦、夏野菜かつ生野菜たるキュウリの大食いに参加した女性選手8名は、競技中にひたすら「寒い、寒い」を連発していました。ロケ地となった2月末の横浜市の卸売市場内はしんしんと寒く、ただでさえ男性よりも冷えやすい女性たちが、生のキュウリをキロの単位で胃袋に納めていくのですから、体熱が胃袋からも体表皮膚からも逃げていってしまいます。また、大食い女性の中には深刻な冷え性の人も含まれ、カメラに写らない所に多数のカイロや毛布を仕込む必要がありました。
何とかトラブルなく撮影を終了することができ、ホッとしたのもつかの間でした。今度は彼女たち、先を競うようにトイレとの間の往復にはげみ始めました。何が起きたのかと思ったら、何と、それはキュウリの利尿効果だったのです。生野菜にはカリウムが豊富に含まれ、余剰塩分(ナトリウム)とともに過剰な水分も排出することが知られています。
今でも懐かしく思い出すのは、この時のギャル曽根こと曽根菜津子さんの「センセー、気持ち悪いほど(小水が)バンバン出るんだけどぉ~」という発言と、鳩が豆鉄砲を食らったような驚きの表情です。この時、医学的知識として知っていた内容と、目の前の女性たちの行動とがあまりに符合することに、私は妙な感動を覚えたものです。
「それはね、キュウリにはカリウムがたくさん含まれているからなんだよ…」
などとこちらから説明した瞬間、曽根さんがこれまた明瞭な納得の表情を見せたのも、これまた忘れられません。
また、2007年秋の男女混合戦の一回戦、南国の果実たるバナナの大食いでは、さらに面白いことがありました。キュウリの時と同様、バナナにもまた、体を冷やす効果と利尿効果があったのですが、この回では、さらに踏み込んだ医学的知見が観察されたのです。
実はこの試合の前日、本選出場の最後の一枠を決める「カレー南蛮うどん45分勝負」を勝ち抜いた菅原初代さんは、試合での過剰な塩分摂取がたたり、同日夕方に行われた健康診断の際、ひどい手足のむくみ(主に下肢)に見舞われていました。翌日の本選初日を迎えても、彼女の浮腫は強いままでした。しかし、初日の一回戦が「バナナの大食い45分勝負」だったことで事態は一変します。カリウム摂取に伴う余剰塩分排出と利尿効果の末に、彼女の手足から浮腫がキレイさっぱり消失したのです。15杯(3kg)のカレーうどんの塩分を40本(6kg)のバナナで洗い流すという荒業に、他ならぬ菅原さん本人が一番感激していました。
高塩分食を好む人や高血圧の患者さんが、野菜や果物のような高カリウム食材を積極的にとるようにと指導される理由は、ここにあります。もっとも、6kgのバナナを一気に食べることが、心臓や腎臓の弱い人はもちろんのこと、健康な人の日常生活においても、これまた明らかに「過剰摂取」だということも忘れてはいけません。食事は常にその全体量(総カロリー)と食材バランス(栄養素構成比)で考えないといけないことは、言うまでもありません。
そのことを十分に理解した上で、菅原初代さんと私はそれでも、菅原さんの身体におきたこの劇的な変化に、新鮮な驚きと感動を覚えたものです。同じ日のうちに浮腫がここまで極端に出たり引いたりするという現象は、大食い界でこそ観察されるものなのでしょう。この出来事を契機に、私たちはロケバス後部座席での「大食い生体実験系」の医学談義で盛り上がるようになるのでした。





