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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2008/03/07

大食い珍道中(3)〜 業界用語編(後)

・「完食カット」
試合終了後、1位通過選手が食べたのと同量の料理を、机上に並べて撮るカットのこと。オンエアでは、「1位は○○。平らげた△△は実に□□杯!」などといったナレーションを乗せます。完食カット撮影に使う料理は、競技終了後、新たに作り直したアツアツ状態のものを使用します。当然、完食カットを撮り終えれば、これらはスタッフの昼御飯や晩御飯に早代わり。早速スタッフの「椅子取り競争」ならぬ「皿取り競争」が幕を開けます。

ちなみに私は、高橋実桜ちゃんが東京・谷中のラーメンを食べて1位となった際、完食カット撮影終了後に余っていたラーメンを1杯平らげ、まだ全然余裕があったので2杯目を食べようとしたら、ゲストで来ていたギャル曽根さんに
「えっ、先生…食べるの?ホントに食べるの?それ食べたら、太るよっっ!!」
と言われ、取り上げられてしまいました。あんたに言われたくない・・・とは言い返しませんでしたが、今だから言います。あの時はかなりお腹空いていたんです。食べ物の恨みはおそろしいんですよ、ギャル曽根くん!

・「バレる」
普通、「ネタバレ」などと言われるように、「バレる」といえば「暴露される・露顕する」という意味だと考えます。「食材バラシ」という単語もあったので、余計にそう思ったものです。それが、「横浜駅バレ」「何時にバレますか」などと使われます。何のことやらわからず、スタッフに聞くと、どうやら「ばらける」の転用のようで、解散するという意味でした。

しかし、有名どころの大食い選手となると、この手の業界用語の意味を普通に知っています。「バレるって何?」などと聞き返していたのが私だけだったということの方が驚きでした。大食い選手もすっかりタレント化の時代ということなのでしょうか。

・「先生、ケツありますか?」
何と言っても一番笑えたのが、この「ケツありますか」です。撮影の全日程を終了し解散する間際、ディレクターから真顔で尋ねられた時、私はわが耳を疑いました。
「えっ?ケツ?ケツならあるわよ、こ・こ・に」
などと言ってヒップをポンポン叩こうものなら、逆に笑い飛ばされたことは間違いなしでしょう。


どうやら、タレントさんの世界では、「ケツがある」とは、この後に別の仕事ないし予定が入っているという意味のようです。しかし、仕事を「ケツ」とは恐れ入りました。しかも、「えっ、医者の世界ではそう言わないんですか?」
と、逆にスタッフに驚かれたものですから、さらにショックに打ちひしがれたものです。これって常識?こう言わないのは医者だけ?と、急に不安になり、周囲の知人に片っ端から聞き回りました。予想通りではありましたが、「ケツありますか」の意味を正答できた人は1人もいませんでした。

並べてみると、業界用語って本当に奥深い言語ですね。