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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2017/10/27

<番外編>羽ばたけ、アズマックス世代!愛工大名電・紫魂の2017年ドラフト

この原稿が掲載される頃は、ちょうどプロ野球のドラフト会議の翌日かと思います…という書き出しがピッタリの今日のコラムですが、実は当連載でこれと全く同じ文章で始まる過去記事があるのをご存じでしょうか?覚えている方は少ないと思われるそのコラムは2012年10月26日のコチラの記事(→大食い本選回想録(イントロ編)…百念紫魂!2012年ドラフトと大食いロケの接点)ですが、今読み返してみると、自分でも驚くほどに不思議な因縁を感じる内容となっています。

というのも、大食い番組ロケの裏話を紹介するこの記事の中で、愛工大名電(愛知)という工藤公康さん(現・福岡ソフトバンクホークス一軍監督)や山崎武司さん(元・中日ほか、現・野球解説者)にイチロー選手(マイアミ・マリーンズ)を輩出した名門野球部に言及しているのですが、ちょうどこの頃に愛工大名電の新チームのエースになったのが、今年のドラフト会議で1位指名が確実視されている大学ナンバーワン左腕の東克樹投手(あずま・かつき、立命館大4年)だったのです。

東…という苗字は、「あずま」と読む人と「ひがし」と読む人がおり、本人を前に呼び方が逆になって四苦八苦した経験がわが人生には過去に何度かありました。その反省をふまえ、私はいつの頃からか、東克樹君と直接会って話をする際は必ず「アズマックス」と呼ぶようになりました。名電在籍中のアズマックス君は身長が170cmで体重70kg、しかも頑張って食べても体重がなかなか増えませんでした。一学年上のエース左腕だった浜田達郎投手(現・中日ドラゴンズ、高卒で2012年ドラフト2位入団も現在は育成契約)が高3当時183cm/88kgという堂々たる体格だったのを間近に見ており、何か思うところがあったのでしょう。私が名電グラウンドを訪問するたびに、主に食事面で最も熱心に食い下がるように質問して来たのが彼でした。

名電の野球部員は全員が春日井市内のグラウンド横の野球部合宿所に寝泊まりし、早朝に名古屋市内の学校に登校、朝食と昼食は学校で、夕食は下校後にグラウンドに戻ってから合宿所で摂るというスケジュールになっています。となると、この三食と練習の合間に補食が必要となる訳ですが、どこで何をどのタイミングで摂るのが理想的か、摂るとしたら固形物か、それともスムージーのような液体か…?彼らも目の前の現実に即した回答を求めて必死に質問をぶつけてくるので、こちらも医学の教科書的知識から人生経験のよもやま話まで、全ての知識を総動員しつつ頑張りました(笑)。その中でも最も熱心だった部員の一人がアズマックス君だった訳です。

彼からの質問のうち、我が脳裏に今も鮮烈な記憶として残っているのが、「(普段の食事準備に超多忙な)監督夫人の手を煩わすことは避けたいので、独力で準備するとしたら何が必要か?」というものでした。彼およびその前後の学年は特に意識の高い人が多かった印象がありますが、その質問の際の彼の真剣なまなざしこそが、私の中でのアズマックスの印象を決定づけました。決して自分のエゴに汲々とすることなく、このような周囲スタッフに対する気遣いのこもった質問がさりげなくできるところが、アズマックス君のアズマックス君たる所以であります。

確か名電では、「人間誰しも20歳頃を境にイヤでも代謝が下がってくるので、体重はほっといても増えるから心配することはない」「それよりも高校時代は、怪我しにくい体を作ることが先決」という主旨の返答をした覚えがあります。そして4年の月日が流れ去り、今の彼のプロフィールを見ると170cm/78kgと、体重も予言通りに増えてくれたようです。MAX152キロのクロスファイヤーと多彩な変化球、そして高校時代に既にトレードマークだった抜群のコントロールを武器に、立命館大学のエースとしてMVPにベストナインに2度のノーヒットノーラン(←関西学生リーグ史上初!)と着実に実績を積んで今回のドラフトを迎えるその姿に、私も万感の思いがあります。

なお、アズマックス世代の名電には他にもドラフト候補がいます。まずは高2時は二番サード、高3時は四番ショートで甲子園に登場した俊足巧打の中野良紀内野手(なかの・よしき、高3時178cm/78kg)↓。お父様も愛工大名電野球部OBである彼は、現在は東海理化で遊撃手として活躍中です(現在のプロフィールは178cm/75kgとなっており、スリムな雰囲気は変わらず)。

(2013年6月30日、愛工大名電グラウンドにて。左から3番目がアズマックスこと東克樹投手、右端が中野良紀内野手)

さらに、東洋大4年の若原翔平一塁手(わかはら・しょうへい、高3時は185cm/86kg→現在は185cm/90kg)もまた、今年プロ志望届を提出したアズマックス世代の名電OBの一人です。彼は岐阜出身で、傑作だったのが高3の夏前、岐阜クラブボーイズ時代のチームメイト・大園祐也投手(神戸国際大付→現・東北福祉大4年)との野洲での練習試合における因縁の対決です(下写真)。この時は、岐阜から応援にいらした大変朗らかな若原夫妻と、同じく岐阜の自営業のお店を放っぽらかして(笑)息子の応援に駆けつけた大園パパとの会話がまるで呼吸ピッタリの漫才のようで、お腹を抱えてゲラゲラ爆笑しながらの観戦だったことを懐かしく思い出します。

(2013年6月23日、滋賀県希望が丘文化公園野球場にて。7-2で神戸国際大付リードの9回裏、二死から代打登場の背番号16の名電・若原翔平選手を大園祐也投手が空振りに仕留めるシーン)

この時にチェンジアップを2球続けて空振りして三振ゲームセットに終わった若原選手は、恵まれた体格と長打力を引っさげて4年後の今年ついにプロ志望を表明、独立リーグも視野にプロ入りへと希望をつないでいるようです。他方で、「逃げたらあかんよ、逃げたら」と、最後にチェンジアップを2球続けたことを父になじられていた大園投手は、中学&高校時代に悩まされた故障も乗り越え、今や東北福祉大の左右二枚看板の一人としてすっかり頼もしい存在に成長しましたが、プロ志望届は提出しなかったようで、さらに上のステージでの飛躍が期待されます。

以上、今年の名電OBドラフト候補生から最後は岐阜の二人の因縁対決に話が飛んでしまいました(笑)。最終段落で話が思わぬ方向に飛んでしまうのは、当コラムのお約束のパターンになりつつあるのでしょうか(→見てきたつもりのU-18野球W杯(1)…いきなりのロストバゲージ報道で思い出したスケートカナダ観戦)。それにしてもアズマックス世代、こうして見るとなかなかの黄金学年の様相を呈して来ました!今年のドラフト指名選手には新天地での幸運を、そして意に反してドラフト指名に漏れた選手には、同じく今後の活躍と数年後の捲土重来を、それぞれ期待したいと思います。


<参考サイト>
高校野球ドットコム - :愛工大名電(愛知)編「工藤 公康、山崎 武、イチローの3人を筆頭にプロ入り選手を輩出し続ける愛工大名電のつながり!」
http://www.hb-nippon.com/column/1387-tsunagari/9654-20150724no20tsunagari?pref=osaka
http://www.hb-nippon.com/column/1387-tsunagari/9654-20150724no20tsunagari?pref=osaka&page=2

東都大学野球連盟 - 【東都プロ志望届提出者インタビュー】東洋大学・若原 翔平 内野手
https://twitter.com/Tohto_bbl/status/917723636315779072

スポーツ報知(2017年4月5日):東北福祉大、大園&鈴木“左右2本柱”がV導く…仙台六大学8日開幕
http://www.hochi.co.jp/baseball/ama/20170404-OHT1T50221.html

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