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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2015/10/30

2015年ドラフト会議のキーワードは甲子園「メダリスト」の大躍進?!

日本脳神経外科学会総会の期間中に北海道で接した「奇跡のリリーバー」盛田幸妃さんの訃報には大いに驚きました(→世にも奇妙?!日本脳神経外科学会総会開催中の北海道で接した「奇跡のリリーバー」盛田幸妃氏の訃報)。そして、ありし日の盛田さんの甲子園での勇姿からドラフトでの(長嶋一茂さんの外れ1位となった)経緯、さらにはプロ入り後の活躍等に思いを馳せつつ故人を偲んでいたら、間髪入れずに今年のドラフト会議のニュースや指名選手の家族ドキュメンタリーがテレビで流れきたものだから、つくづく月日の流れの早さに驚きおののいてしまう今日この頃です(笑)。

10月22日にグランドプリンスホテル新高輪(←ここは実は日本脳神経外科学会の学術集会がよく開催される会場でもある!)で行われた2015年ドラフト会議の一番の主役は、やはりヤクルトの真中満監督でしょうか(笑)?!髙山俊選手(日大三-明治大)の1位指名で阪神タイガースと競合してくじ引きとなった際、外れクジのロゴマークを当たりと勘違いして繰り出した派手なガッツポーズと子供のような無邪気な笑顔が、その数分後には地の底まで暗転した…というエピソードには、こちらも一緒にズッコケてしまいました。この数分のインターバルの間に、就職先が神宮球場だと思っていたのが瞬間移動でいきなり甲子園球場に変更となった髙山選手も、さぞかし戸惑ったことでしょう。

しかし、六大学野球のスターである髙山選手は、実はその前は甲子園の申し子だったということを、どれだけ多くの皆様方がご存じなのでしょうか。そして、今年のドラフトは近年にも増してそのような「甲子園の申し子」の比率が高い…というのが今回のテーマです。

今年のドラフトには「高校生・大学生が多く社会人が端境期」「ディフェンス重視」「独立リーグからの指名が多い」「個性派や苦労人が多い」など色々な見方がありますが、今年のドラフト指名選手の顔ぶれを見てわが脳裏に真っ先に浮かんだのは、「甲子園ファイナリストの尋常ならざる多さ」です。つまり、下の写真中央に写っている物の所有者の比率が高いということです↓。

高校野球に詳しい方であれば、これがどういう場面での写真なのか一目瞭然かと思います。これは甲子園球場における全国大会の決勝戦終了後、閉会式の準備中のひとコマであり、まさにこれからこの横に優勝旗と優勝旗が運び込まれてこようかというタイミングです。ここには写っていませんが、実際にはこの周囲には演台やマイクなどの機材を運び込む業者さんや大会役員、式典に登場予定の音楽隊や合唱団、選手を取り巻きインタビュー中の各メディアの記者といった人々が溢れ、結構賑やかなことになっています。そして、中央の二つのトレイの中の赤と青の物はズバリ、甲子園の高校野球大会の優勝メダル(左の赤いリボン)および準優勝メダル(右の青いリボン)です。

今年は、そのような栄えある甲子園ファイナリストにしか授与されない優勝メダルないし準優勝メダルを今は実家に大事に保管しているであろう「甲子園メダリスト」の数が、昨年よりも実に倍増したドラフトとなりました。他の年と比較しても、かなり多い方ではないかと思います。参考までに、以下にその全メダリストの名前と指名先を列記します。(各選手の右には、優勝した年度を赤、準優勝を青で表示)

パシフィック・リーグ
 【日本ハム4位】  平沼翔太(敦賀気比)       2015年春優勝
 【日本ハム6位】  横尾俊建(日大三→慶大)    2010年春準優勝、2011年夏優勝
 【千葉ロッテ1位】 平沢大河(仙台育英)       2015年春準優勝
 【オリックス3位】  大城滉二(興南→立大)     2010年春優勝、2010年夏優勝
 【オリックス5位】  吉田凌(東海大相模)       2015年夏優勝
 【オリックス6位】  佐藤世那(川内育英)       2015年夏準優勝

セントラル・リーグ
 【ヤクルト3位】   高橋奎二(龍谷大平安)      2014年春優勝
 【阪神1位】     髙山俊(日大三→明大)      2010年春準優勝、2011年夏優勝
 【中日1位】     小笠原慎之介(東海大相模)   2015年夏優勝
 【中日育成1位】  渡辺勝(東海大相模→東海大) 2010年夏準優勝、2011年春優勝
 【DeNA6位】     青柳昴樹(大阪桐蔭)       2014年夏優勝

全国津々浦々の高校の野球部員にとって、甲子園とは出場するだけでも素晴らしいことであり、どんなに実力があっても運がなければ成し遂げえない快挙であります。その上、その甲子園大会で決勝戦にまでコマを進めるとなると、それに輪をかけて並大抵の運ではとても成し遂げえない偉業となります。そんな栄えある甲子園の優勝メダルないし準優勝メダルをゲットしている人物が、今年のドラフト会議では全116名の選手のうち総勢11名(9.5%)に及び、彼らの獲得した述べメダル数は実に15枚(金10枚、銀5枚)という多さです。その顔ぶれを見れば見るほど、すごい星のもとに生まれてきた方たちという他にありません。ちなみにこの「11名15枚」という数字は、昨年の全指名選手103人中の「5名6枚」(ソフトバンク・島袋洋奨←春夏連覇、オリックス・山崎福也、千葉ロッテ・香月一也、西武・高橋光成、楽天・安楽智大)と比べると、実に倍以上です。昨年指名された「甲子園メダリスト」は全員パシフィック・リーグでしたが、今年はセ・パ両軍にわたっており、今年の新人中の一大軍団を形成しそうな勢いです。

ここで、先ほど冒頭で出てきた髙山俊選手について確認してみましょう。彼は日大三時代、チームメイトの横尾俊建選手と一緒に二年生時の春のセンバツで準優勝、翌年の三年夏には優勝を果たしました。ちなみに、今年の日本ハム6位指名の横尾選手は、この高三の時の大会ではチームの副キャプテンであり、閉会式で優勝楯を手に場内一周しています(下写真)。蛇足ですが、その時の主将であった畔上翔選手(日大三-法大)は、今年のドラフト候補選手でもありましたが、残念ながら指名漏れとなってしまいました。

(2011年8月20日12時15分撮影。右から2人目が優勝旗を手に行進する畔上翔主将。その左に優勝楯を手に行進する日本ハム6位指名の横尾俊建副主将。左端の赤いメダルをかけて行進している選手が阪神1位指名の髙山俊。なお、閉会式の場内一周が12時15分という異例の早さなのは、東日本大震災の年の節電要請に伴い決勝戦開始時刻が9時半に繰上げられたため)

なお、「甲子園メダリスト」は確かに昨年と比べて倍増以上となっていますが、甲子園出場歴のある選手、いわゆる「甲子園組」そのものの指名が増えた訳ではないことを、データ補足しておきます。今年の全指名選手116名のうち、甲子園組はセ・22名、パ・リーグ23名の総計45名(全体の38.8%)で、これはむしろ昨年よりは微減となっています(昨年はセ16名、パ25名の総計41名、全体の39.8%)。

では、今年のメダリスト軍団の魅力はどのようなところにあるのでしょうか?それについては、過去の彼らの高校時代の写真を引っ張り出しつつ、来週あらためて紹介したいと思います。

<参考サイト>
Wikipedia日本語版 - 2015年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)
https://ja.wikipedia.org/wiki/2015%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E6%96%B0%E4%BA%BA%E9%81%B8%E6%89%8B%E9%81%B8%E6%8A%9E%E4%BC%9A%E8%AD%B0_%28%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%29


Wikipedia日本語版 - 2014年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)
https://ja.wikipedia.org/wiki/2014%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E6%96%B0%E4%BA%BA%E9%81%B8%E6%89%8B%E9%81%B8%E6%8A%9E%E4%BC%9A%E8%AD%B0_%28%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%29
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