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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2014/11/21

グランプリシリーズ・フランス大会発祥の地!ボルドー開催のエリック・ボンパール杯に行ってきます!

これを書いている今、私は山と積もった日々の雑用や残務整理の傍ら、ボルドー旅行の準備に追われています。こう書けば、フィギュアスケートファンの方は早速ピンときたのではないでしょうか。そうです、この原稿が掲載される頃、私は毎年フランスで行われるフィギュアスケートのグランプリシリーズの6つの大会の一つ、エリック・ボンパール杯(Trophée Eric Bompard)の観客席に座っている予定なのです。

以前のコラムでも何度かご紹介しましたが、エリック・ボンパール杯は例年はパリ12区にあるベルシー体育館(現・ベルシーアリーナ、旧称パレ・オムニスポール・ド・パリ・ベルシー)で行われてきました。ベルシーでは私も過去に何度か同大会を観戦しており、その際のエピソードはこちらからお読みいただけます↓:

(→番外編(1)…無良崇人くん、エリック・ボンパール杯優勝おめでとう!フィギュア日本男子、超激戦区の時代へ
(→番外編(2)…フィギュアスケートのリンク壁面広告にみるジャパン・パワーの圧巻
(→男子シングル元欧州チャンピオンの里帰り…ノルベルト・シュラム氏に見るフィギュアスケート選手の引退後の人生

しかし、今年はこのベルシー体育館が1984年の誕生から30年の節目を迎えるにあたり、大幅な改修工事が既に本年3月からスタートしており、これが2015年10月まで続く予定です。このため、今大会の開催地がボルドーのメリアデック・スケートリンクへと変更されました。メリアデックはベルシーよりも古い1981年誕生のアイスリンクで、Wikipediaによればフランスで3番目の規模(アイスホッケー用観客席3200、コンサート用観客席4800)を誇るとのことです(ちなみに1位はマルセイユ、2位はリヨンだとか)。

それにしてもボルドー、ひょっとして不人気なのでしょうか?パリから500キロ近く離れたフランス南西部に位置し、空路だとボルドー空港へはドイツからの直行便もなければ、日本からの直行便もありません。エールフランスでパリ・シャルルドゴール空港で乗り継ぐか、KLMでアムステルダム乗り換えが便利とされています。TGV駅もありますが、例えばパリ・モンパルナス駅からボルドー・サンジャン駅まで3時間17分程度かかり、パリまでの所要時間も合わせると一日仕事となってしまいます。天下のパリと比べてこれではさすがにアクセスが悪く、そのためか大会一週間前の現時点でチケットの売れ行きをサイトで見る限り、相当に空席が目立つようです↓。


色がついているのが空席で、大会の一週間前だというのに最前列席が未だに埋まっていないこと自体がベルシー体育館開催時はあり得なかったことです。後方の席に至ってはもっとガラガラです。そういえば、ホテルも楽に押さえることができました。この調子だと一体どういうことになるか、当日の現地での様子がちょっと心配になってきました。

それはさておき、フランスにおけるグランプリシリーズの歴史をちょっと調べてみました。現在のエリック・ボンパール杯は、1987年にラリック杯(Trophée Lalique)としてスタートした大会が1995年にISUのグランプリシリーズの構成大会の一つとなり、今に至っているようです。前身のラリック杯が1995年にグランプリ大会の一つとなった際、テレビ放映権の(フランステレビジョンからTF1への)移行という事情から「Trophée de France」(フランス杯)という名称に変更された同大会は、1999年にラリック社との共同スポンサーとなったカシミア会社のエリック・ボンパールが2004年に単独スポンサーになったことに伴い、同年「エリック・ボンパール杯」へとさらに名称変更されたのでした。

ここで注目すべきは、ISUグランプリ大会傘下となったばかりの1995年における同大会の記念すべき開催地が、何と、このボルドーであったということです(以降から昨年までは全てパリ)。つまり、ボルドー・メリアデックは「ISUグランプリシリーズ元年」のフランス大会発祥の地ということになり、考えようによっては高校野球でいうところの豊中球場に相当するかもしれません…?!そう思った瞬間、ボルドー行きが俄然楽しみになってきました(←フィギュアスケートファンには分からない心理?)。この大会には日本から参加するのは男子シングルの町田樹選手、女子シングルの今井遥選手の2名だけですが、他国からの参加選手としては前回記事でも登場した中国杯で羽生結弦選手とのアクシデントがあったヤンハン(中国)、さらには中国杯優勝のマキシム・コフトゥン(ロシア)の名前があります。ヤンハン選手が果たして出てくることが可能なのか否かは、来るNHK杯での羽生選手の動向との関連からも注目されます。女子での見どころは、日本でも人気の高いリプニツカヤと、期待の新星ラジオノワというロシアの二人に、前回大会優勝のアメリカのワグナーとの絡みでしょうか。また、ペアでは何と言っても、テレビ東京の大食い選手のソックリさんではなかろうかと見まがうほどの二人、SUI Wenjing/HANG Cong(隋文静/韓聰)の二人が”大食い”つながりで気になる存在です?!(→日常の中の大食い的風景(2)…中国フィギュアスケート界の新星に大食い選手の面影!)今頃、「何で実桜ちゃんと寺坂が手つないどんねん!」と、私はボルドーでも吠えていることでしょう(笑)。

ここで、自分への忘備録も兼ね、参考のためにかつてボルドーで熱き戦いを繰り広げた1995年フランス大会のメダリストを列記しておきたいと思います。

男子シングル
1位 イリヤ・クーリック(ロシア)(←1998年長野五輪金)
2位 エリック・ミロー(フランス)
3位 エルビス・ストイコ(カナダ)
(↑1994年リレハンメル五輪・1998年長野五輪それぞれ銀、世界選手権3度優勝)

女子シングル
1位 ジョゼ・シュイナール(カナダ)
(↑リレハンメル五輪でトーニャ・ハーディングの「靴ひも事件」の煽りを受けて繰り上げ滑走となった際、通路から鬼も顔負けの凄い形相でリンクに出てきたあのご尊顔が忘れられない)
2位 陳露(中国)(1994年リレハンメル五輪・1998年長野五輪いずれも銅)
3位 スルヤ・ボナリー(フランス)
(↑1994年幕張メッセでの世界選手権における佐藤有香とのバトルが忘れられない)

ペア
1位 エレーナ・ベレズナヤ/オレグ・シリアホフ(ラトビア)
(↑ベレズナヤは別のパートナーと組んで1998年長野五輪金、2002年ソルトレイクシティ金)
2位 オクサナ・カザコワ/アルトゥール・ドミトリエフ(ロシア)
(↑このペアで1998年長野五輪金。ドミトリエフは1992年アルベールビル五輪でも金)
3位 ジェニー・メノー/トッド・サンド(アメリカ)

アイスダンス
1位 パーシャ・グリシュク/エフゲニー・プラトフ(ロシア)
(↑このペアで1994年リレハンメル五輪・1998年長野五輪ともに金。アイスダンスで唯一の五輪2連覇)
2位 マリナ・アニシナ/グウェンダル・ペーゼラ(フランス)
(↑このペアで1998年長野五輪銅、2002年ソルトレイクシティ五輪金。ペーゼラはEurosportのフィギュアスケート中継のリポーターとしてもお馴染み)
3位 イリーナ・ロマノワ/イゴール・ヤロシェンコ(ウクライナ)

こうしてあらためて書き出してみると、実に錚々たる顔ぶれです。後に五輪のメダリストとなる選手が予想以上に多いことは、今回の大会の出場選手の未来を占う上でも興味深いところです。町田選手には是非ここで優勝して、あのイリヤ・クーリックのように次の五輪での金メダルもかっさらって欲しいものです(笑)!

しかし、ここでさらに目を引く名前の組み合わせを発見してしまいました。ペア1位のベレズナヤ(ロシア)にアイスダンス2位のアニシナ/ペーゼラ組(フランス)と来れば、否が応でも思い出すのが2002年のソルトレイクシティ五輪における採点スキャンダルです。アントン・シハルリドゼと組んだエレーナ・ベレズナヤのロシアペアがカナダのペアを僅差で抑えて優勝したのは、アイスダンスでアニシナ/ペーゼラに金を取らせるための露仏間のバーター取引だったという衝撃の告白がフランスのジャッジから飛び出し、結局ペアは2組とも金メダルとなったという、あの事件です。この疑惑をきっかけに、フィギュアスケートの採点方法が主観的要素の大きい順位点に基づく「相対評価」から、演技内容の難易度と出来栄えを数値化した「絶対評価」へと大きく舵を切ることになり、幾多の試行錯誤を経て現行の採点方法に至っています。

それでは、今週はこの豊中球場じゃなかったボルドー・メリアデックでの時間旅行(タイムスリップ)もしっかり楽しんで来たいと思います。パリと比べて落ち着いた感じで観戦できるのではないかと期待しています。ワインだけではないボルドーの街の雰囲気も、いずれ当サイトでご紹介できれば幸いです。


<参考サイト>
Wikipediaフランス語版 - Patinoire de Mériadeck
http://fr.wikipedia.org/wiki/Patinoire_de_M%C3%A9riadeck

Wikipediaフランス語版 - Trophée Éric Bompard
http://fr.wikipedia.org/wiki/Troph%C3%A9e_%C3%89ric_Bompard

Ticketmaster.fr - TROPHEE ERIC BOMPARD (チケット販売サイト)
http://www.ticketmaster.fr/fr/manifestation/trophee-eric-bompard-billet/idmanif/321859
(eチケットのオンライン決済可能。ちなみにショートプログラム入場料は何と8ユーロ。フリーは最前列席も含む最も高価なカテゴリーで55ユーロだが、女子/ペアとアイスダンス/男子の二部入れ替え制)
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