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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2014/08/08

ブラジルW杯サッカー放送で頻出した甲子園の高校野球定番応援曲

元々スポーツ観戦といえばせいぜい野球かフィギュァスケートで、そもそもサッカーを観る機会も習慣もない私にとって、サッカーの試合でどのような応援曲が定番なのかという知識は全くありませんでした。それが今回のW杯ブラジル大会の期間中、サッカー中継や関連番組でやたらと耳にする音楽の中に高校野球の定番応援曲がやたらと含まれていることに気付いた時は、新鮮な驚きを日々感じておりました。試合よりも音楽の方に関心が移ってしまったと言っても良いかもしれません。ということで今回は、気になった応援曲をいくつかご紹介したいと思います。

以下に曲を列記しながら紹介していきますが、バリ・マニロウの「コパカバーナ」(1978)とベリーニの「サンバ・デ・ジャネイロ」(1997)は、まとめて説明したいと思います。この2曲はW杯大会期間中のサッカー中継でよく耳にしましたが、来る8月9日開幕の第96回全国高校野球選手権大会でもアルプススタンドで頻繁に演奏されることは確実です。日本の高校球界きっての頻出曲でもあるこの2曲を最も得意とするチームといえば、何と言っても「ダブル智弁」、つまり智弁和歌山(和歌山)と智弁学園(奈良)を反射的に思い浮かる方が多いのではないでしょうか。他にもこれらを定番曲としている学校は全国的に数多く存在しますが、高校野球ファンの脳裏に最も強烈な記憶を残したのは、やはりここ十数年にわたって断トツの甲子園出場率を誇る智弁和歌山のアルプススタンドでの演奏ではないかと思います。その智弁和歌山は今年の夏の甲子園出場は叶わなかったようですが、奈良の智弁学園は春夏連続となる17回目の出場を決めました。機会があれば是非、智弁学園アルプススタンドの夏らしいラテンのリズムにも注目していたたければと思います。


なお、智弁和歌山によるこの2曲の演奏は、YouTubeの下記リンクで堪能することができます。

YouTube - 【なぜか】近畿高校野球名応援歌 特集 【名応援歌は近畿に多い】
https://www.youtube.com/watch?v=dx4yE_B8HWg
(上記リンク先では、智弁和歌山による「コパカバーナ」は3:03~、「サンバ・デ・ジャネイロ」は4:40~にそれぞれ登場。他にも近畿有力校の有名な応援曲演奏がうまくまとまっており、オススメの動画)

1) バリ・マニロウ「コパカバーナ」
当時35歳だったバリ・マニロウによる1978年全米最高8位となったヒット曲。ブラジルのリオデジャネイロにはコパカバーナ海岸がありますが、この歌はそれではなく、ニューヨークに実在する同名のナイトクラブでの出来事について語る叙事詩的内容で、ショーガールのローラとバーテンのトニーの恋物語がカネモチ男の横恋慕からくる一発の銃砲で一転し、そのまま年月だけが過ぎた…という、とても悲しいお話。曲調が明るいだけに、そんな歌詞とはつゆ知りませんでしたが、アルプススタンドの吹奏楽部の高校生の皆様方はこの歌詞の内容を果たして知っているのやら?

Barry Manilow - Copacabana (At The Copa) 1977 (←当時のミュージックビデオ、以下MV)
https://www.youtube.com/watch?v=NKR2n-G-wdM

(MVからのシーン。射殺されることになるバーテンのトニー役をバリ・マニロウ本人が熱演!)

Barry Manilow - Copacabana 1978 (←ドイツZDF ”ZDF Kultnacht”より)
https://www.youtube.com/watch?v=HeplUHZsHfo
Barry Manilow - Copacabana 1978 (←イギリスBBC1 ”Parkinson”より)
https://www.youtube.com/watch?v=hc1UhKLP3zA
Barry Manilow - Copacabana / Lyrics - HD (←歌詞テロップ付きで、英語の勉強をしたい人にもオススメ)
https://www.youtube.com/watch?v=unERy12bwaE

このナイトクラブは何度かの引っ越しを経て、現在はタイムズスクエアやロックフェラーセンターにもほど近いWest 47th Street 268番で営業しているようですので、ニューヨークに行かれる機会がある方は是非(笑)!

2) ベリーニ「サンバ・デ・ジャネイロ」
これも高校野球の世界では耳タコというくらいよく演奏されます。1997年の「サンバ・デ・ジャネイロ」のヒットで知られるベリーニは、その絵にかいたようなバリバリのラテンの風貌からは想像もできませんでしたが、何とドイツのグループだというではありませんか!今回の原稿作成にあたって調べて初めて知り、大変驚きました。この曲はドイツチャートで最高2位、全英8位で、彼らが登場した往年の懐かしの有名なミュージックビデオは当時から見覚えがあったのですが、その撮影地が実はケルンだということも、これまた遅ればせながら今回初めて知りました。出演ダンサーは世界からかき集めたとのことですが、そう言われてからビデオを見返すと、こりゃ確かにケルンだわな…と納得。よろしければ是非下記リンクもご覧参ください↓。

Bellini - Samba De Janeiro (←1997年当時のMV)
https://www.youtube.com/watch?v=UAMA_U8Iz5A
上記リンク先には歌詞も掲載されています…といっても、この曲の歌詞といえば、”Samba de Janeiro”(ジャネイロのサンバ)、”Sempre assim”(そのまま)、”Em cima”(上へ)、”Em baixo”(下へ)のたった4つのフレーズしかないので、誰でもあっという間に覚えられます!初歩ポルトガル語講座にもオススメ(笑)。


「サンバ・デ・ジャネイロ」のヒットがどちらかというと「一発屋」のカテゴリーに入れられて久しいベリーニですが、今年に入ってから何と華麗に復活しました!新生ベリーニはメンバー(若いネーチャン3名!)を新たに迎え同曲の別バージョンを収録したアルバム「FESTIVAL」を今年発売しています。MVも一新し、歌詞も追加しアレンジも大幅に手を入れ、タイトルも「サンバ・ド・ブラジル」に変更されています。ドイツではテレビやFM等でかなり流れており、今年の注目曲となっています。

Bellini - Samba do Brasil (←2014年新作MV)
https://www.youtube.com/watch?v=EOAeAiZStjY


3) 「アクアレラ・ド・ブラジル」(Ary Barroso作詞作曲)
「高校野球でサンバとくれば?」と甲子園ファンに聞けば、おそらく半数が「浦和学院!」、残りの半数が「常総学院!」と答えることになるでしょう。浦和学院といえば「浦学サンバ」、常総学院といえば「常総サンバ」というように、ともに甲子園での優勝経験を誇る両校は、高校野球界におけるラテンサウンドの二大巨頭と言っても過言ではありません(笑)。浦学サンバは同校オリジナル曲で、主に甲子園での対戦相手にコピーされることが多く、今や甲子園での定番曲の仲間入りを果たしていますが、常総サンバ(厳密にはオリジナル曲ではなく、レッツゴー三重という曲のラテン風バージョンと呼ぶべきもの)もこれまた他校にコピーされつつ定番曲化しつつあり、今夏の甲子園に登場する岩国(山口)もチャンステーマとして採用しています。

さて、今回ご紹介するのは、その常総サンバとは別の、これまた常総学院の定番曲として有名なサンバ調の曲です。日本では通称「ブラジル」と呼ばれている、正式名称「アクアレラ・ド・ブラジル」(Aquarela do Brasil)です。

YouTube - 常総学院高校野球応援メドレー(2013年夏)
https://www.youtube.com/watch?v=QGGCRF5j9T8
(6曲目が「ブラジル」、3:50~4:55に登場)

今回のW杯でも頻出だったこのリズムのせいで、私はドイツでサッカー中継を見ながらも、ついつい常総学院のことばかり気になってしまうのでした(その常総学院も今夏の甲子園出場は叶いませんでした)。「アクアレラ・ド・ブラジル」とは「ブラジルの水彩画」の意味で、1939年Ary Barroso作詞作曲のこの曲は、同年Francisco Alvesが発表したバージョンを筆頭に、何十年もの長きにわたり数多くのアーチストたちに色々な言語でカバーされてきた名曲です。この曲は1942年全伯(ブラジル)公開、1943年全米公開となったディズニー映画『Saludos Amigos』(邦題『ラテン・アメリカの旅』、日本公開1957年、ちなみにドイツ公開は1953年)の中の挿入歌です(歌唱はAloysio de Oliveira)。映画内ではこの曲が「アクアレラ・ド・ブラジル」とクレジットされているにもかかわらず、日本ではこの曲がいまだに「ブラジル」と呼ばれているのは、この曲が世界的ヒットとなったのがそもそもこの映画の影響によるところが大きく、しかも英語圏でこの曲が通称「ブラジル」と呼ばれてヒットしたため、日本の吹奏楽用の楽譜にもそのタイトルが採用されたことによるようです。

Aquarela do Brasil - Francisco Alves (1939)(←最古のバージョンと思われる、ポルトガル語)
https://www.youtube.com/watch?v=H-y8TS7jbpY


Saludos Amigos - Aquarela do Brasil (1943年ディズニー映画より)
https://www.youtube.com/watch?v=nvMLl55XPSY
(このサイトには歌詞もついています。登場するドナルドダックやその友達のジョゼ・カリオカなど、キャラがみんな戦時中とは思えない程かわいらしい)

この曲については、私には個人持ちの別バージョンがあります。それはコチラです↓(YouTubeに動画がないため、iTunesのサイトを紹介)。

iTunesミュージック - Clara Bellar - “Meu Coração Brasileiro”
https://itunes.apple.com/jp/album/meu-coracao-brasileiro/id835991865

クララ・ベラール(Clara Bellar)は1972年生まれのフランス人女優で、2008年発売のこのアルバムは彼女の歌手デビュー作。高校野球でいう「ブラジル」に相当する曲は6曲目で、ブラジルの有名歌手ジョアン・ボスコ(João Bosco)とのステキなデュエツトです。

フランスのパリで生まれ育ったフランス人の女優さんが何の因果か全編ポルトガル語というアルバムを発表してしまった…という点に興味が湧き、私はこのCDを発売当初に早々に購入していました。そして、全曲をIPodに入れたまでは良かったのですが、ポルトガル語に馴染みがないこともあり、つい最近まで再生回数がほぼゼロ(!)という有様で、バソコンでiPodの曲目リストを整理するたびに「コレもう消しちゃおうかな~」との衝動に毎回かられつつ、その都度思いとどまるということをこの数年繰り返して今に至っていたのです。そんな「単なる消しそびれ」でしかなかったこの曲が今回のW杯の大会期間中にやたらと巷に流れるに至り、その曲がiPodに残っているということに今更のように気付いたというのも相当間抜けな話ですが、以降この曲が我がiPodの再生回数の断トツのトップに躍り出たのみならず、余りに毎日毎日聞くので勢い余って歌詞を全部覚えてしまったというのだから、つくづく人生とは何がどこでどう展開するか分からぬものだと思わずにはいられません(笑)。

なお、Clara Bellarと言われてもピンと来ない方は、2001年のスティーブン・スピールバーグ監督作品「A.I. (Artificial Intelligence)」において主人公(ハーレイ・ジョエル・オスメント演じる少年型ロボット)と束の間の出会いを果たしつつも人間たちに処刑されてしまう壊れかけの子育てロボットの役を演じた女性…と説明すればお分かりになるかもしれません↓。。

YouTube - Steven Spielberg’s A.I.-Artifical Intelligence (2001)-The Flesh Fair
https://www.youtube.com/watch?v=ZMbAmqD_tn0

この女性がクララ・ベラールです。彼女は母国語であるフランス語の他に英語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語を操るそうです。もっとも、「フランス語の他にイタリア語とスペイン語とポルトガル語を話せます」というのは、我が国の人間の感覚で「標準語の他に名古屋弁と大阪弁と博多弁も話せます」と言うのと大差ない話にしか聞こえないのですが…(笑)。それはともかく、彼女は歌唱力で勝負するタイプではなく、聞けば聞くほど味わいがあるホンワカと語るような歌い方が特徴的で、日本でかつて「ヘタウマ」と呼ばれたジャンル(例えるなら菊池桃子さんあたりか?)に近いかもしれません。曲も有名曲ばかりのようですので、頑張って覚えまくってブラジルポルトガル語入門の取っ掛かりにしようかなー、などと最近思っています。

(6月17日朝の情報番組ZDF Volle Kanneにてブラジルカラーのチョ~薄着な出で立ちで「アクアレラ・ド・ブラジル」を情熱的に披露するオランダ人女性歌手Loona。後方に座る年配のゲストは目のやり場に困っている様子、男性司会者も若干引き気味の感があった)

<参考サイト>
Bayrische Rundfunk: Bellini “Samba De Janeiro”(1997)
http://www.br.de/radio/bayern3/inhalt/musik-center/one-hit-wonder/one-hit-wonder-10-bellini-samba-de-janeiro100.html

ZDF: Volle Kanne - Service täglich(2014年6月17日)
http://vollekanne.zdf.de/ZDF/zdfportal/programdata/d9fd24c2-f618-3ffd-911f-865093c93fc1/20313222?generateCanonicalUrl=true
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