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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2013/12/27

『あまちゃん』オープニング曲はどうして懐かしい感じがするのか?!似ている曲目リストから考えてみた

『あまちゃん』オープニング曲はどうして懐かしい感じがするのか?!似ている曲目リストから考えてみた

今年もあと残すところわずかとなりました。振り返れば今年は、朝の連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK)がそのオープニングテーマ曲も含めて話題をさらった「あまちゃんブーム」の年でもありました。特に思い出されるのは、夏の甲子園で準優勝の延岡学園と岩手代表の花巻東の両校ブラスバンドが応援曲の「あまちゃん対決」でアルプススタンドを大いに盛り上げたことです。この曲は今後も高校野球の定番曲として定着していくことは間違いないでしょうし、来る大晦日のNHK恒例の紅白歌合戦でもきっと演奏されるのではないかと思います。

しかし、私の場合、この曲に遭遇するたびに心の中で毎度のように引っかかるものがありました。何だかどこかで聞いた曲の寄せ集めのようだ、という第一印象がいくら拭おうとしても頭から離れないのです。というのも、この『あまちゃん』のオープニング曲を各フレーズごとに分解すると、文字通り「古今東西」ともいえるクラシックから洋楽ひいてはアニソンに至るまで、似たような旋律を擁する楽曲がまさに一対一対応のように次々と連想されるからです。別に盗作だとか言っているわけではなく、現実に誰かが訴えを起こしたという話も聞きませんが、特に三十代後半から四十代前半程度の、いわゆる「エイティーズ(80年代の音楽)をかなり集中的かつ熱心に聴いて育った世代」であれば、私が何を言わんとしているのかお分かりいただけるのではないかでしょうか。以前、テレビのワイドショーでこの曲の特集があった際、コメンテーターが「何だか小学校の運動会を思い出すようで、懐かしい感じがする曲である」と仰ったように記憶していますが、それには実はカラクリがある…というのが、今年最後となる今回のコラムのテーマです。

実は私、何を隠そう、『あまちゃん』の放送そのものをただの一度も見たことがありません!甲子園のアルプススタンドで聴いたバージョンしか知らないのです。ということで、YouTubeで『あまちゃん』の実際の放送でオープニングに使用された原曲の動画を探しましたが、著作権が絡むのか何なのか、残念ながら発見できなかったので、(株)ウィンズスコアがアップロードしている吹奏楽バージョンのものを、以後の説明のために用いる見本として以下に呈示します。

YouTube  - WSL-13-016 あまちゃんオープニングテーマ(吹奏楽セレクション) 編曲・宮川成治
http://www.youtube.com/watch?v=EMDN8e3AzGU
(この吹奏楽バージョンとドラマ本放送のオープニングでのアレンジの異同は残念ながらわかりません。仕方ないので、両者間での編曲には大きな差はないものと仮定して以後のお話を進めます)

この動画の全長は1分46秒あります。以下に、この動画のタイムと対応する形で、その部分に旋律が似ていたりリズムに共通点があって連想してしまう曲を列記していきます。(動画リンクは末尾にまとめて呈示)


『あまちゃん』から私が連想する曲目は、ざっと上記のような感じです。もう少し時間があれば他にも思い出すかもしれませんし、私よりも桁違いに音楽に精通しているプロフェッショナルの方々であれば、さらに違うラインアップを揃えてくることが可能だと思います。2曲目のオッフェンバック「天国と地獄」がまさに運動会の定番曲であることが、先述のテレビコメンテーターの「運動会を思い出して懐かしい感じ」という発言につながっている点は、人間の潜在意識に働きかけるサブリミナル効果のようにも、それにしては見えやすい仕掛けのようにも感じられます。

あまちゃんの音楽を担当した大友良英さんは「チャンチキとスカのイメージで」この曲を作られたとのことですが、その中でも最も頻繁にメディア等に登場する前半部は、基本リズムもメロディもフィルも、私にとってはアメリカのバンド、カーズ(The Cars:活動期間1976-1988、2010年再結成)の世界と濃厚にオーバーラップします。何せ、「あまちゃん」の曲に合わせて「シェイク・イット・アップ」がそのまま歌えるのですから、カーズが1980年代前半にはすでにチャンチキはともかくスカ(1960年代より発展したジャマイカ起源のレゲエの前身となるアップビートのポップ音楽)の要素をそのスタイルの中に積極的に取り入れていたということなのかもしれません。子供の頃からカーズをかなり好んで聴いており、レコード(古っ!)もほぼ全部持っている私ですが、今年に入ってからカーズのCDアルバムを一気に買い直してしまったのは、ズバリ「あまちゃん効果」以外の何ものでもありません(リック・オケイセックは今頃、日本からの印税収入の増加に首をかしげていたりするかも?)。そして、解散から25年の時を経た今あらためて聴いても、彼らの音楽がむしろ新鮮に響いてくることこそあれ、現代にあっても全く色褪せていないということに、ただひたすら驚くばかりです。80年代のバンドの中でも、一二を争う卓越した先見性と普遍性を備えたカッチョイイ音楽を、ガキの分際でリアルタイムで聴けたということがいかに贅沢かつ有難い経験であったのかを身に染みて感じました。

The Cars - Shake It Up (1981)
・最高ランクは全米9位。
・ベーシストのベン・オールは2000年、すい臓がんにより53歳で死去。残りの4名のメンバーは存命であり、2010年に再結成、2011年にアルバム「Move Like This」を発表。
http://www.youtube.com/watch?v=eq-yoorI7lo

アマゾン - The Cars Shake It Up(輸入、988円)
http://www.amazon.co.jp/Shake-It-Up-Cars/dp/B000002GXD/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1387895215&sr=8-1&keywords=cars+shake+it+up


なお、サザエさんとシェイク・イット・アップの歌い出しをそれぞれ交互に繰り返すのもまた、『あまちゃん』にドンピシャリとハマるのが実に楽しい発見でした。その昔、私の周囲(だけ?)ではサザエさんのオープニング曲に登場する生き物をわざと組み替えて歌うのがブームだった時期がありました。その後遺症(笑)がいまだに残る私の場合、今年の夏の甲子園のアルプススタンドでこの曲に初めて出会って以降、この曲を耳にするたびに:

「♪ドラ猫くわえた くわえたサザエさん ♬ Dance All Night Play All Day…」

というフレーズがこわれたレコード(死語?笑)のように脳内でエンドレスに堂々巡りを繰り返すという無限ループが止まらず、困った状況が月単位で続いたものでした(笑)。

それにしても、19世紀の曲からイタロディスコに至るまで、洋の東西を問わず、実に幅広い方面から錚々たる名曲が揃いぶみしたものです。まさにこの曲の存在そのものが、言うなれば音楽のオリンピックと万博がいっぺんにやってきたようなものなのかもしれません。これらの名曲のエッセンスがギッチリ詰まった楽曲であるからこそ、『あまちゃん』は幅広い年代層の日本人のハートをがっちりつかんだのでしょう。最後に参考資料として、先述のリストに登場した「似ている曲」の動画と簡単なコメントを列記しておきます(シェイク・イット・アップは上に紹介済、キャンディ・キャンディのアタック音声については発見できませんでした)。ご興味がおありの方は是非試聴していただき、大晦日のあまちゃんと比較していただければ幸いです。

(上から2段目と3段目の左側のCDジャケットは、デビュー当時の小泉今日子さんを模倣したものとお見受けしますが…似合っていない)


<参考動画一覧>

1) 天国と地獄(オッフェンバック)
・「カステラ一番 電話は二番」の文明堂カステラのCMで有名。
http://www.youtube.com/watch?v=W7p5qLr0RhI

2) ドレミの歌(映画版:ジュリー・アンドリュース)
・主人公の女教師マリアが歌う。
・1965年公開のミュージカル映画版『サウンド・オブ・ミュージック』のマリア役はジュリー・アンドリュース。
・1959年ブロードウェイ初演の劇場版『サウンド・オブ・ミュージック』のマリア役はメアリー・マーチンをはじめ多数。
http://www.youtube.com/watch?v=6m7wvnDAHUM

3) NAI・NAI 16 (シブがき隊)
・彼らのデビュー曲です。
・この原稿を用意する過程で、シブがき隊の曲をまとめ聴きしたところ、それこそ「スカ」や「チャンチキ」の要素を帯びた曲が実に多いことに気付く。おそらく、井上大輔さんや後藤次利さんといった当時の超がつく売れっ子作曲家たちは、あまりに多忙すぎて、遊び心なしでは体がもたなかったのかもしれないと想像してみたりする。
・下の動画は左右反転している(フリを憶えてもらうためとのこと。忘年会向け?笑)
http://www.youtube.com/watch?v=uEYAV9CybLQ

4) サザエさん
・我々のコミュニティでは、歌詞に登場する生き物は「ドラ猫」「サザエさん」「おさかな」の順になる。思い浮かべてみると結構笑える。
http://www.youtube.com/watch?v=X4F8fSezE7Q

・サザエさんのオープニング曲を逆再生したというこちらの動画もなかなか面白い!いつの間にか、サザエさんのストーリーの逆再生も何気に人気らしい。
http://www.youtube.com/watch?v=vgcFB4Td8dQ

6) Baila Bolero (Fun Fun)
・イタリアの女性デュオ。実際はスタジオでの歌入れ担当のゴーストシンガー2名、テレビ等での口パク専門のモデル2名で構成される。
・この頃はイタリア発で世界のダンスフロアを席巻するイタロ・ディスコというジャンルがあり、世界的ヒットとなった「アイライクショパン」(1983年、日本では小林麻美さんのヒット曲「雨音はショパンの調べ」の原曲としても有名)のガゼボ、ドイツでスマッシュヒットとなった「アナザーライフ」(1983年)のカノなどもここに入る。ハイエナジーからユーロビートへの過渡期に台頭。シンセとドラムマシンを駆使したサウンド、キャッチーなメロディライン、エフェクト多用、強烈な非英語圏アクセントなどを特徴とし、味わいのある安っぽさがかえって人気だった。
・1985年には「リヴィング・イン・ジャパン」などという曲も発表していたことから、日本市場を重視していたことがうかがえる。
・1986年のディスコヒット。日本でも結構頻繁にかかっていた記憶あり。このぬる~くてやる気のなさそ~な投げやり感が新鮮でかなりウケていた。
・あまちゃん似の該当部分は、この動画では2:37付近から。
http://www.youtube.com/watch?v=qhdkBOyXpkg

7) BELIEVE(渡辺美里)
・渡辺美里さん7枚目のシングル。小室サウンド。
・あまちゃん似の該当部分はまさに冒頭部イントロ←つられてそのままBELIEVEを歌い出しそうになってしまう。
http://www.youtube.com/watch?v=r38pxhhPCQ4

8) ギンギラギンにさりげなく(近藤真彦)
・1981年の日本レコード大賞最優秀新人賞受賞曲。
・作詞はあの伊集院静さん。
・あまちゃん似の該当部分は0.14付近から字幕付きで出てくる短い間奏部分。
http://www.youtube.com/watch?v=Laskv1vxOow

9) WAになっておどろう(V6)
・オリジナルは1997年にNHKの『みんなのうた』で放送された曲で、作詞作曲のクレジット「長万部太郎」は角松敏生さんのペンネーム、演奏のクレジットは角松さんを含め8名のミュージシャンから成るバンド「AGHARTA」。
・AGHARTAバージョンのカバーとして発表されたV6のバージョンは、本家を上回るダブルプラチナの売り上げとなった。
・私個人的には、みんなのうたよりも長野五輪のテーマ曲としての記憶の方が強いので、もうすぐソチ五輪ということもあり、あえてこちらの動画を紹介。あまちゃん似の該当部分は1.39付近から。
http://www.youtube.com/watch?v=IJQYSiwLH9w

10) ザナドゥ(Xanadu)(オリビア・ニュートン・ジョン&ELO)
・1980年のミュージカル映画。Xanaduはそもそもは桃源郷の意味で、マルコ・ポーロの東方見聞録に記載された、モンゴル帝国(元)の時代の首都Shang Tu(上都)に由来。
・ELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)のギタリスト・ソングライターであるジェフ・リンの作詞作曲。
・ソフトバンクモバイル『ホワイトプラン』のCMに使われた曲でもある。
・あまちゃん似の該当部分は2.54ないし3.00あたりから。
http://www.youtube.com/watch?v=7m1UWSD-FaA
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