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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2013/08/16

ドイツでも猛暑、フランスでは雷雨!今年の世界的異常気象と地球温暖化との関係

今年の日本は猛暑が続き、熱中症も多く発生していると聞いております。そしてドイツでは、昨年は異例の冷夏のため8月でも暖房が必要だったほどで、昨冬も異例の寒さだったというのに、今年は一転してかつてない猛暑を迎えております。本年7月にはサハラ砂漠からの熱気を運ぶ高気圧「アンナ」の影響でドイツの最高気温が30~36度と観測史上最高となったことが話題になりましたが、さらに8月に入ってからも天気予報はこんな調子で(↓)温度表示が真っ赤っかの日が続き、元々暑さに弱い暑がり屋さん揃いのドイツ民族が一斉に音を上げておりました。



海沿いの北部でも、アルプス寄りの南部でも、東でも西でも大差はありません。気温が36度とか38度というのは、日本のこの時期ならそう珍しくはありませんが、これがドイツとなると、ちょっと目を疑うようなレベルです。気象予報士の男性も、リポート姿が何だか辛そうです。

 

ヨーロッパ全土を見渡すと、暑さを避けるにはアイスランドかイギリス・スカンジナビアまで行かねばどうにもならない気がします(笑)。しかし、それがかなわなければ、別の方法で涼んでみましょう!これだけ猛暑が続けば、必然的に売り上げがアップするのは何か?それは、日本でもドイツでも同じ、アイスクリーム!それも、イタリアン・ジェラートです!



日本で売っているイタリアンジェラートと比べて、こちらのイタリアンジェラートは少し脂肪分が多めのような気がするのは、割と濃厚な味を好む人が多いせいかもしれません(体の脂肪分も多めの人が多いですが…笑)。朝のワイドショーの中では何と、イタリア人のタレントがスタジオ生出演で「家庭でのジェラートの作り方」をこだわりタップリに解説している有様!この暑さで、人々の頭はすっかりアイスに占拠されてしまったかのようです。

さらに今夏、カフェなどで見かけることが大幅に増えたものの一つに、「アイスカフェ(Eiskaffee)」があります。欧米では元々冷たいコーヒーにあまりなじみがないとされていますが、コーヒーへのこだわりも強く種類も多いオーストリア、そしてその近隣諸国であるイタリア・ドイツにおいては、冷たいコーヒーは夏の定番メニューでもあります。といってもこの「アイスフェ」、日本でいうところの「アイスコーヒー」とは異なります。これは、日本でいうところのコーヒーフロートの上に生クリームをタップリ載せ、さらにその上からチョコシロップをかけるという飲み物で(↓)、今夏は特に飛ぶような売れ行きを見せています。日本では冷たいコーヒーそのものが売られているのに対し、ドイツでのアイスカフェは常温に覚ましたコーヒーにバニラアイスクリームを入れるので、アイスがすぐにドロドロに溶けてしまって、あまり冷たくない代物となっていました。(ちなみに、イタリアで頼んだアイスカフェは、ホットコーヒーに氷を入れてシェイクしたものにジェラートを入れて作っていたが、これもあまり冷たくなかったです)



なお、今年はドイツのみならず、お隣のフランスも似たり寄ったりの猛暑に見舞われていました。中でも、私が所用でパリにいた7月下旬は、雷雨が特にひどかった時期と重なり、湿気タップリのぬる~い風のみならず、夜中じゅう轟音とともにピカピカと光る雷雨のせいで、実に寝苦しい夜を過ごすことになってしまいました。


大雨に雷雨に猛暑、熱波…果たしてこれらは異常気象なのでしょうか?地球温暖化も関係しているのでしょうか?そんなことを考えていたら、ちょうど手元の新聞の中に、暑さでノビてしまったこのような人々の姿を見つけたのでした↓。



フランクフルター・ルンドシャウ紙内の『熱波は単なるパズルのピースの一つでしかない』と題されたこの記事には、今年の6月に起きたドイツのパッサウでの大洪水の話も含め、最近のドイツにおける異常気象に関する気象学者のコメントが一問一答形式で掲載されています。このやりとりは日本にとっても興味深いと思ったので、以下に和訳してご紹介します。

Q.(猛暑の基となる)熱波は地球温暖化と関係あるのか?
A.個々の熱波は気候変動とは全く関係なく、元々あったものであり、今後もあるものである。熱波は起きている現象の一部、それもごくごく小さなパズルのピースの一つに過ぎない。天気は気候の一部で、(熱波のような)極端な事象に対する解釈には注意が必要。ただ、気候が不安定となると、極端な事象が増えてくる…これは昔から知られている。ということは、「地球温暖化」かどうかを見極めるためには、地球全体で(極端な事象が増えているかどうかを)見る必要がある。

Q.それはつまりどういうことか?
A.地球温暖化の場合、熱波(による温度上昇)ばかりではなく、他の極端な事象もみなければいけないということ。例えば、干ばつ、洪水、嵐など。この観点でみると、過去30年のあいだにこれらの極端な事象はほぼ倍増している。これらを今の温度上昇と考え合わせると、私たちがいま気候変動の真っただ中にいるということを強く示唆している。地球における極端な事象といえば、例えば今年インドやアメリカを襲った熱波もそうである。

Q.ドイツにおいてもそうなの?
A.ドイツも地球の一部で、地球が温まれば当然ドイツもいくばくかの影響を受ける。過去60年でドイツの平均気温は1度以上、一部地域では2度ほど上昇している。これはかなり大きな変化である。

Q.ドイツは昨年の冬がかなり寒かったけど、これは地球温暖化に矛盾していないの?
A.昨年のドイツの冬は確かに寒かったが、その期間が短かったため寒い冬のうちには入らない。過去の温暖化フェーズの内には、もっと寒かった冬もある(中略)。温暖化というのは、全国で一律一様に温度が上がっていくことではない。しかし、昨年は北極の氷が観測史上最も減退した年でもある。地球全体の温暖化に関しては、ドイツだけをみていてもわからない。

Q.ひどい洪水などが今後も増えるの?
A.洪水の場合、5bという名の気象状態が関与している。これによる洪水はドイツでは1997年のオーデル川、2002年のエルベ川、そして今年経験している(←注:本年5月末から6月初旬にかけての大雨により、ドイツのパッサウなどで深刻な洪水被害が出たことを指す)。この気象状態は、20世紀前半には滅多にみられないものだった。このような(洪水を生む)気象状態は増えており、このような極端な事象が起きる確率もまた上がっている。今後どうなっていくのかを予想することは難しい。


この記事を読みながら思ったのは、最近の日本で以前よりも極端さを増してきた感のある猛暑や豪雨・雷雨なども、このドイツの気象学者が言うところの「世界的に起きている極端な事象というパズルのピースの一つ」なのかもしれないということでした。この気象学者のセンセイは日本の例は挙げてくれませんでしたが、下記のWikipediaから日本の事象を拾い出してみるだけでも、日本でも今年は色々と「極端な事象の頻発」が起きているように思われます。1月14日に東京での大雪、2月下旬に北日本の日本海側での国内過去最高記録となる大雪、3月初旬の北海道の暴風、3月10日の東京の煙霧(3月の最高気温記録更新も)、4月6日~7日の荒天(神奈川・海老名で1時間降水量の記録更新)、4月21日の仙台での4月としては66年ぶりの積雪、5月2日の札幌での5月としては21年ぶりの降雪、7月23日の東京での記録的短時間大雨、7月28日の山口島根豪雨(日本の1時間降水量歴代11位となる記録的豪雨)、8月10日の甲府及び四万十市における記録的猛暑(6年振りの40℃超え、国内観測史上4位の最高気温40.7℃)といった具合で、今後もますます厳しい猛暑日が続くとされています。この調子で、日本における「極端な気象状態」もまた世界各国同様に増えていくのかどうかも、いっそう注目されるところです。

Wikipedia日本語版 - 2013年の気象・地象・天象
http://ja.wikipedia.org/wiki/2013%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%B0%97%E8%B1%A1%E3%83%BB%E5%9C%B0%E8%B1%A1%E3%83%BB%E5%A4%A9%E8%B1%A1#cite_note-14

なお、ドイツでの洪水といえば、6月のパッサウでの洪水に先立つこと数日となる5月末、以下のような映像がドイツで流れました。



女性が冠水を始めたばかりの道路の真ん中で、足を取られています。左にはこの女性が乗っていたと思われる自転車が倒れています。



これは、アマチュアの撮影した動画をドイツのニュース専門チャンネルN24が5月31日に番組内で紹介したものです。ここに出てくる女性、まだ水が浅いうちに必死に自転車を起こそうとしています。しかし、この後に水位は急上昇、そうこうしているうちにこの女性は水に飲み込まれて最終的には死亡した…という驚愕の結末で、実に衝撃的な映像です(ただし、水に飲まれる瞬間は番組ではさすがに映さず)。私の周囲には自転車通勤の人が結構多いため、この動画はかなりのセンセーションを引き起こしていました。「自転車という(さほど高価でもない)モノに執着した結果、命を落とした」という教訓は、カネやモノや地位や現状の生活に執着するあまり、命を脅かす危機に対する過小評価に陥りがちな昨今の日本にも通じるものであるように思えてなりませんでした。

さて、ドイツは8月12日の週に入ってから急に例年通りの涼しい夏に戻り、秋の気配すら感じさせるものとなっており、暖房が必要になる日もそう遠くはないと思われます(笑)。しかし、日本はいまだに酷暑がおさまる気配もないとのこと。戦いたけなわの甲子園での熱中症も心配されるところです。せめて、上の動画の女性のような「執着する価値のないものに執着して落命」ということにならないよう、仕事もプライベートも健康には十分配慮しながら、心してこの時代を生き抜いて行きたいものだと考えています。

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