海外大食い事情(2)・ドイツ外食編
ドイツの人の外食は基本的にワリカンで、他人へのオゴりとか宴会用コースメニューといったものが乏しいお国柄です。研究所の招待講演などで来たゲストをもてなすためにレストランへ食事に行く場合も、教授はゲストの分と自分の分だけ払ったら、逃げるように店から消えてしまいます。そのためか、財布に余裕の少ない下っ端研究員は、結局メイン一皿とドリンク一杯だけで延々と粘ることに…。さすがはケチで有名なドイツ人。体は大きくても、気が大きくなることはあまりないようです。
もっとも、これはドイツに限らずイタリアやアメリカ等でもそうですが、「メイン一皿」といってもその皿がやたらデカい。肉もポテトも溢れんばかりに盛ってあります。普段があまりに少食で、すっかり胃の縮んだ彼らであっても、この手の外食となると無理をしてでも目の前の皿をきれいに平らげます。体が大きいためか胃も一応大きいようで、入ることは入るのです。なぁんだ、ドイツ人もやっぱり大食いなんじゃん…と思った私に、ある人はこんなことを言いました。
「僕らヨーロッパ人とアメリカ人の違いは、ここから先にあるんだ。今日これだけ食べたんだから、僕らは当分断食みたいな食生活に戻すけど、アメリカ人はこのまま行っちゃうんだよね〜。彼らの太り方は半端じゃないけど、僕らを一緒にして欲しくない」
アメリカ人に対するヨーロッパ人の優越感をちらつかせているつもりなのか、それとも単なる酒飲みの冗談なのか。とにかく、ここでも根底に流れているのは「太ることに対する恐怖心」でした。ドイツ人にとって外食とは、「禁断かつ憧れの大食い行為」なのかもしれません。
ドイツ人の生活習慣としての食生活を見ていると、いわゆる『大食い』になる資質とは、単に「胃が大きい」とか「胃がよく伸びる」といった容量だけの話ではないことがよくわかります。どうして白人よりも東洋人の方が、強い大食い選手を数多く輩出できるのか。ドイツの研究所での日常生活の中に、その原因の一端を私は日々垣間見ているのでしょう。





