Nagoya Talents' Network - タレコラ

Dr.片山晴子 RSS Feed

金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2013/03/08

クロアチア土産の中に見出す日本(2)…MIKADOにSAPOROって?!キティちゃんボトルの水も登場!

「クロアチアの名物を3つ挙げよ」というクイズが出題されたら、何と答えたら良いでしょうか?今年の1月に私が滞在した首都ザグレブのホテルには、その3つの答えがまさにおあつらえ向きにディスプレイとして並んでいました。

まず、一つ目はコレでしょうか:「クロアチアといえば…ハート!」

 

クロアチアには、いたるところに赤いハートがあります。どこもかしこにもハートが貼り付けてあったり、クッキーやチョコレートも赤いハート型だったり、単なる装飾用オーナメントやマグネットに小物入れ容器もハート、といった具合です。今年の1月に開催された欧州フィギュアスケート選手権のロゴも、これまた赤いハートでした。

 

もそも、どうして「クロアチアといえばハート」なのか。もともと、国を挙げた特産品だったようですが、その一因として、アドリア海に浮かぶハート形のガレシュニャク島(Galesnjak)の存在も考えられます。

Heart-shaped island highlighted by Google Earth becomes hit with lovers(The Telegraph 2009年2月11日版)

 

この記事によると、このアドリア海に浮かぶ小さな無人島は、2009年2月のGoogle Earthでの掲載で注目を集めるようになったそうです。その所有者ですら、ここまで完璧なハート型だったとはGoogle Earthを見るまで知らなかったというこの小島に、バレンタイン旅行の行先として世界中のカップルからリクエストが殺到するようになったとのこと。クロアチアという国そのものも、観光旅行目的地のランキングで世界18位に入っているのだそうです。

ちなみにGoogle MapsにおけるGalesnjak島はこちら↓(拡大や写真への切り替えなど、お楽しみ下さい)

http://maps.google.co.uk/maps?hl=en&tab=wl&q=GALESNJAK

二番目は、やはりこちらでしょうか:クロアータ(CROATA)のネクタイ

 

ネクタイはフランス語でクラバットcravateといい(ドイツ語ではクラバッテKrawatteともシュリプスSchlipsともいう)、その語源はズバリ、クロアチアから来ています(ちなみに英語にもcravatという単語はありますが、これは医療用三角巾ないし男性用のスカーフを指す)。ブリタニカ百科事典の「ネクタイ」(necktie)の項には、「ルイ14世に仕えるためパリに来たクロアチアの軽騎兵隊の将兵が首に巻いた色鮮やかなスカーフに始まり、ここからフランス語のクラバットの名が起こった」と記載があります。

三番目がコレでしょうか:PENKALA(ペンカラ)のペン

 

クラバットの語源がクロアチアだからといって、ペンの語源がペンカラというわけではありません(笑)。この写真ではクロアチアの老舗トーズ・ペンカラ(TOZ-Penkala)社のボールペンと万年筆が展示されています。ちなみに、TOZとはTvornica olovaka Zagreb(”ザグレブ鉛筆工場”の意味)の略です。ペンカラとは、会社の創始者で発明家でもあるSlavoljub Eduard Penkala(1871-1922)の名からとられています。

このペンカラさんといえば、「シャープペンの発明者」としても世界的に知られています。シャープペンシルにあたる”機械式鉛筆”(mechanical pencil、1906)とボールペンの前身となる”固形インク型万年筆”(solid-ink fountain pen、1907)を発明、それ以外にも二人乗り飛行機、黄ばみ防止用洗剤、湯たんぽ、車両ブレーキ、陽極電池など、実に幅広い分野で80もの特許を得た大発明家だそうです。その発明家精神は筋金入りで、幼少時から「どうして鉛筆はいちいち削らないといけないんだろう」と疑問を持ち、果ては鉛筆をバラして中の芯をくりぬいてペンを試作する子供だったそうで、今の日本でいえばドクター中松のような、ちょっと飛んでいるタイプの人物を想像してしまいます。

なお、発明したペンの大ヒットを受けて、ペンカラさんが相棒のEdmund Moster(1873-1942)と一緒に設立したペンカラ・モスター社が、今のトーズ・ペンカラ社の前身です。この相棒のモスターさんもまた、シャープペンの芯の改良技術などで特許を持つ発明家でありました。まさに「ぴんから兄弟」ならぬ「ペンカラ兄弟」(笑)とでも呼ぶべきコンビでしょうか。ただし、さらに調べていくにつれ、二人ともユダヤ人であること、ペンカラさんは50歳にして病没、モスターさんは69歳でナチによるホロコーストにより強制収容所で殺害された、といった史実に直面し、何だかやるせない思いにとらわれてしまうのでありました。

さらに現地滞在中に知ったのは、あの超有名な電気工学者の世紀の天才ことニコラ・テスラもまた、クロアチア生まれだということでした。市内を散歩していて、テスラの銅像に遭遇して初めてそれを知りました。直流電流しかなかった時代に交流電磁誘導の原理を発見、その名が磁束密度の単位に命名されて今に至っている世紀の天才テスラは、発明家でもありました。彼の発明である交流発電(コレでエジソンとケンカ)・変圧器・無線トランスミッター・ラジオ放送技術・点火プラグ・蛍光灯など、どれもこれも現代の私たちの日常生活の中に当たり前のように浸透した技術ばかりなのは、今みても驚異的です。さらに、無線通信実験のための私財をも投入してのタワー建設など、今の東京スカイツリー時代の東京やWIFI通信全盛のスマホ時代をも見透かしているかのような先見性には、恐れ入ります。

 

それにしてもクロアチアとはなんという国なのでしょうか。ネクタイの発祥の地のみならず、「ペンカラ兄弟」の発明家コンピ、そして偉大すぎるニコラ・テスラ…。クロアチアの最大の特産品は「発明」でしょうか?この国には何かがあると思わずにはいられません。

さて、クロアチア名物に話を戻します。土産物の他にもいろいろとあるクロアチアン・ブランドですが、その中に「日本」を見出すことができるものを紹介していきます。まずはコチラからどうぞ↓。

ヤナ(Jana)のミネラルウォーター:

 

クロアチアの水No.1といえば、このヤナ(Jana)だと思います。現地でこの水を初めて飲んだ際、あまりの美味さに驚いてしまいました。しかも、私が訪れた時期はちょうどキティちゃんボトルが登場しており、この看板(上写真)やボトルのカワイサにも、日本人としてハートをギュ~ッとつかまれてしまいました。製造元のヤムニッツァ(Jamnica)社は1830年代創業の老舗で、ミネラルウォーター(Jamnica、Jana)やジュース(Juicy、Juicy Fruits)、スポーツドリンク(Pro Sport)などのラインアップを揃えています。中でもこのJanaはフランスの”Aqua Expo 2005”で「水のオスカー」ならぬEAUSCAR(オースカー)を獲得した世界に冠たるブランド水でもあり、pH7.4、硬度295というかなりカチカチの硬水でありながら、まるで軟水であるかのようにクセがなく、体に吸い込まれていくかのような滑らかな飲み心地です。さすがは、あのマリア・テレジアが愛飲したというだけのことはあり、機会があれば是非ご試飲いただくことをお勧めします。

さらに、お菓子の世界にも、日本人のハートをグッとつかむものが…↓。

 

これまた、現地のスーパーなどで必ず見かけるミカド(Mikado)というチョコレートです。普通のミルクチョコからフルーツ及びナッツの入ったものなど各種あり、中でも上写真では一番下にある米フレーク入りのものが新食感の美味しさでした。製造元のズヴェチェヴォ(Zvecevo)社は1921年創業、今年92周年を迎えた老舗です。しかも不思議なことに、この会社の商品にはこの「Mikado ミカド」の他に「Saporo サポロ」なるチョコレートもあります↓。

 

そもそも何故「Sapporo サッポロ」ではなく「Saporo サポロ」なのか、それもこの傘さした着物姿の女性や松の木は日本のイメージなのか(うしろの門のような建物が中国っぽいような気が…)、それ以前になぜ「ミカド」なのか…。創業1921年の会社をして一体何がこのような徹底した日本風ネーミングを採択させたのか、いずれ調べてみようと思います。

ちなみに、ヨーロッパで「ミカド」といえば、コレのことを指します↓:

 

見てのとおり、グリコのポッキーです。ドイツでもフランスでも、おそらくヨーロッパ中どこでも、ポッキーはミカドなのであります。この名の由来は、欧州で知らない者のいないとあるゲームからきているのですが、これについては後日に稿をあらためます。

さて、来週はいよいよ、フィギュアスケートの世界選手権が始まります。私がザグレブで見届けたハビエル・フェルナンデス選手(スペイン)は、チームメイトの羽生結弦選手や高橋大輔選手、地元のパトリック・チャン選手(カナダ)らとどのような戦いを展開するのか…。同じくザグレブで見届けたペアの川口悠子/アレクサンドル・スミルノフ組にとっては、この大会での出来がソチへの切符を占う重要なカギとなるでしょう。女性が日本人とのハーフであるというマリ・ファルトマン/アーロン・ヴァンクリーブのドイツ期待の新星ペアはどこまで頑張れるか…。そしてもちろん日本期待の女子シングルなど、私も(ドイツではどこまで放送してくれるか心配ではありますが)テレビ観戦を今から楽しみにしています。

バックナンバー>>
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487