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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2012/06/01

宮川俊二さんの「嗚呼!! 涙メシ」に思う…ベトナム料理「バインセオ」は転機の味!

個人的なことですが、偶然にも最近私の周囲は妙にベトナムづいています。先週までずっとベトナムの思い出を連載してきましたが、先日の一時帰国でANA便を利用した際、シートプログラムに以下の番組がありました。

ANA機内上映オリジナル番組「嗚呼!! 涙メシ」 ~宮川 俊二~Vol. 4
人生の転機に出会った涙メシとは!?
   さまざまな番組でその知性を発揮する、ニュースキャスター・宮川俊二。
今回、故郷「宇和島」を訪れ、青春時代や母と過ごした懐かしい日々に思いを馳せる。
その思い出に深く刻まれた涙メシとは?

http://media.ana.co.jp/html/movie/namida/04.html

「嗚呼!! 涙メシ」とは、月代わりで各界の著名人が登場し、人生の転機に出会った思い出の料理や、食にまつわる思わず涙した懐かしいエピソードなどをランキング形式で振り返っていくという、ANA機内上映専門の番組です。2012年5月現在の最新版のゲストは、愛媛県宇和島市出身かつNHK出身の有名なフリーアナウンサーである宮川俊二さんです。上記リンク先の動画にはVol.1からVol.5まであり、上記リンク先からその全てが見れるようになっています。(注:このリンクは6月になったら別のゲストの回に差し替わる可能性が高いと思われます。また、過去の回はホームページには残されないようです)

この宮川さんの回で、第2位として紹介されていたのが、ベトナム料理の「バインセオ」(Bánh xèo )でした。このエピソードは私にとって、一年前の『元祖!大食い王決定戦』(TV東京)のベトナムロケの思い出もあり、また今の私の置かれている立場や心境とも妙に共通項が多く、とても他人事と思えないような、強く心に響く内容でした。ということで、その貴重な内容を記録に留めるためにも、以下に書き出して紹介したいと思います。題して、「第2位: 第二の人生を後押ししてくれた涙メシ」です:(書き出し部分は青字)

 

宮川(以下、宮) 「一大決心して(45歳で)局を辞めて、これからどうやって生きていこうかなーっていう風に考えたらですね…。で、そのときにベトナムに行って、ベトナムの若者たちと一緒に食べた、ベトナム風のお好み焼き…バインセオの味ですね!」
ナレーション(以下、ナ) 「大学卒業後、NHKにアナウンサーとして入局した宮川さん。高校時代から憧れていた放送業界だったが、仕事に追われる日々に、いつしか空しさを感じるようになった」
宮 「45歳ぐらいというと、ある程度こう人生見えてきまして、なんか無常というか、”常ならむ”ぐらいの…ですね(笑)。何かこう、このままずーっと転勤、転勤、重なっていって、何が残るのかなーっ、という事を、ちょっと考えまして」
ナ 「そして45歳のとき、NHKを辞め、新たな仕事に挑戦することを決めた」
宮 「みんなにカッコ良く、『私はもう、全く新しいものを作るんだ!』と言った手前、どうしたらいいかなっていう…(笑)。そのときに、やっぱりボクの取材の人生の中で大きなポイントとなったベトナムのことを思い出しまして…」
ナ 「あらたな挑戦の舞台はベトナム。アナウンサーの仕事だけでなく、どんな仕事でも貪欲に挑む覚悟だった。そんな中、特にやりがいを感じたのが…」
宮 「ベトナムの日本語の学校にいい先生がいないというので、その立ち上げに行ったんですね。終わったら、学生たちが『センセ、何か食べに行こう!』と言いまして、『エー、こんなところに店があるのぉ~?』みたいな感じのトコなんですけど、大きな鉄の鍋があって、そこでやっているのがバインセオというものなんですね」
ナ 「ベトナム南部の家庭料理、バインセオ。卵とココナッツミルクで作った生地にエビや豚肉、もやしなどをタップリ乗せて焼き上げる。これをサニーレタスに包み、唐辛子ソースをつけていただく。宮川さんは、このバインセオを頬張りながら、ベトナムの学生たちと夢を語り合った」
宮 「ですからもう自分自身が、どうやって生きていけばいいか…これホントに…45歳で辞めちゃって、これからどうすんのかなーっ(笑)っていうところと、ベトナムの学生たちの将来に対する希望と、なんか気持ちの中でズレがあったんですけど、やっぱり彼らの姿を見てて、ボクも力づけられて…」
ナ 「ベトナムの若者と同じ釜の飯を食い、苦楽を共にしたあの体験なくして、今の自分はありえない」
宮 「元気のでるバインセオ、その料理は忘れられないですね」
ナ 「それは、第二の人生へ飛躍するキッカケをくれた涙メシだった」

 

このインタビューの中で特にウンウンと頷きたくなったのは、「希望にあふれたベトナムの若者たち」と「先の見えない自分」とのギャップについて宮川さんが語るくだりです。昨年2月末~3月初旬のベトナムロケで、同国の人々の夢や希望に溢れる熱気や勤勉さに感心し、それでいて人間味を大切にするライフスタイルにチョッピリ意外さも感じつつ、私もまた大変元気をもらったものでしたが、直後に今度は日本を東日本大震災が襲い、その1カ月足らずの間のギャップの大きさに愕然とすることになりました。不幸にも続発した原発事故の行き着くであろう先、そして、それまで当たり前だった生活基盤の崩壊や価値観の大幅転換…などと言ったら大げさかもしれませんが、まさに”常ならむ”事態に嵌まり込んだかと思った時、宮川さんの語る「バインセオ」のストーリーが実にタイムリーに、私に何かしらのヒントを与えてくれたような気がしたのです。

唯一残念なのは、ベトナムロケの際に現地のバインセオを食べる機会がなかったことです。ということで、急遽日本でバインセオを食べに行ってみました。宮川さんの涙メシほどではないとしても、このバインセオもまた、私にとってはきっと何十年後にも記憶にのこる”転機の味”となることでしょう。

 

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