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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2012/05/25

「ベトナムといえば?」(6)…「アオザイ!」そして「正司優子」

前回放送の『元祖!大食い王決定戦inベトナム』(TV東京)での番組の目玉の一つは、選りすぐりの大食い女性選手たちによって披露される、現地の民族衣装姿といっても良いのではないでしょうか。以前はマカオにて選手がチャイナドレスを選ぶシーンがありましたが、今回はベトナムの民族衣装「アオザイ」を選手たちが各自で選ぶシーンを振り返ります。

こちらが、撮影の行われたアオザイ専門店の中の様子です↑。色とりどりの素敵な衣装が所狭しと並んでおり、スタッフも嬉しそうです。このお店は、滞在先ホテルの隣にあって番組の決勝戦会場にもなった”サイゴン・タックス・トレード・センター”の2階にあります。

こちらは、選手たちが衣装を選び終わった直後のショットです↑。彼女たちもまた、とても嬉しそうです。

もっとも、店に掛かっているアオザイは既製品は一切なく、全て1点モノです。当然、背丈も体格もまちまちの大食い選手ですから、せっかく気に入ったデザインのアオザイを試着しても、サイズが合うとは限らないワケです。一体どうするのかと最初は心配でしたが、そこはさすがは専門店、対処は万全です。次の瞬間、速攻で次の写真のような作業に入りました。↓

 女性店員さんが店内の狭い通路にいきなりしゃがみ込み、大胆にアオザイをジャリジャリと切ったかと思うと、今の日本ではあまり見ないような年代がかったミシンにて、ガガーーーーッッと縫い縮め始めました。この魔法のような手さばきに、私も選手も驚きっぱなしで見とれるしかありませんでした。それはもう電光石火の早業で、選手の体にピッタリとフィットした「この世に唯一つの、貴女のためだけのアオザイ」の完成です。さすがは箸を使う東洋文化の国民、手先の器用さは折り紙付きです。日本にいるとあまり感じないかもしれませんが、こちらは普段ドイツの(男勝りの?)女性ばかり見ているせいか、この「手先の繊細さ」のレベルの高さがベトナムという国の特徴の一つとして強く印象づけられたのでした。

それもそのはず、今やベトナムと言えば、世界的に見てもアパレル製品の一大拠点です。ロケの際に現地ガイドさんから聞いただけでも、ベトナム、それも特にホーチミン市郊外に、ユニクロに代表される繊維関係の日系企業の進出が確かに多く、ちょうどロケバスの窓から見える通勤ラッシュの中にはそのような会社に通う縫製職人が多くいるはずだ、との話でした。確かに調べると、他の進出企業の中にグンゼやワコールの名もありました。2011年の輸出額が138億米ドルだったという繊維・縫製部門は、同国の強力な輸出産業の一つであり、その背景には「中国一極集中のリスク回避」や「中国よりも安い人件費」(ただし最近は人件費が上昇しメリットが低下してきたとの説も)といった側面もあるようです。ただ、私はそれら以外に、この「アオザイ縫製の手際のよさ」に裏打ちされる、中国人とは異なるベトナム人特有の繊細さ(それもホーチミン市近郊の場合、ハノイなど北ベトナムの人々に比べて小柄とされる南方系のならではの特性)もあるのではないか、などと考えずにはいられません。

ところで、全く話は変わるのですが、完成したこのアオザイを着て選手が「ベトナムに来ました!」というカットをとる直前の空き時間、当番組常連ともいえる大食い選手「トライアスロン正司」こと、正司優子さんがこんなことをしていました↓

何やら、太極拳のマネなのか、それともパントマイマーの心境なのか…このようなポーズをとったまま、ピタリと動作を静止しています。そして次の瞬間、このようなポーズに…↓。

不思議な微笑をたたえ、指の先まで細かく演技をしているかのようです。しかし、周囲には選手もスタッフもいたのに、正司さんが一人で先ほどから何かやっているというのに、誰もそのことに気づきません。正司さんは、誰に見せるともなく一人で次々とポーズをとり続け、それを私が一人で隠し撮りしていたのでした。今、こうして過去の写真をめくりつつ当時の撮影を振り返ると、彼女はとても「絵になる人」だということ、それも「自己完結型」の自己イメージを(よく考えればずっと以前から)確立していた人なのだということに、あらためて気づかされます。そして、その彼女の美意識はこのアオザイの選定のセンスにも現れており、さらに服そのものが最も映えるようなポージングを彼女は次々に着想していくのです。その着こなしと、いきなり俳優顔負けのパントマイム(?)、しかもそれがバッチリ映えているという卓越した身体表現能力には、このとき本当に驚いたものでした。さすがは、パントマイムで名を馳せた名優・中村有志さんを司会者とする「元祖!大食い王決定戦」の出演者だけのことはあります!これもまた、タレントでもない一般人であるはずの正司優子さんの中に棲む”演劇性”の一角と見ることができるといったら、大袈裟でしょうか。彼女は結局このベトナム大会でチャンピオンの座につくのですが、あらためて稀有な存在感のあるキャラクターだと再認識したのと同時に、番組が一年間に渡る放送延期を経て最終的にオンエアされて日の目を見る事が出来たということを、本当にありがたいことだと思っています。

(優勝者に与えられる金のドンブリを手に。正司優子さんのひょうきんな性格が表れている一枚。睨む視線の先には、岩手放送ならぬ岩手の大食い女王の影が見えているのか?)

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