Nagoya Talents' Network - タレコラ

Dr.片山晴子 RSS Feed

金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2011/12/02

我が家にボージョレがやって来た!欧州ボージョレ・ヌーボー事情

今週は省エネのお話はお休みにして、我が家についにボージョレ・ヌーボーがやって来た!というお話です。そういえば、日本のヤフーニュースにこんな記事がありましたので引用します。

ボージョレ・ヌーボーはバブルの遺産 魅力ゼロのイベントでは酔えない?!(産経新聞)

【ビジネスの裏側】

11月17日午前0時に解禁されたフランス産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」。テレビや新聞に盛んに取り上げられていたのは一昔前の話で、今では販売本数も伸び悩み、「バブル期の遺産」と呼ばれるほど凋落している。一時はもてはやされた解禁イベントもほぼ“死に体”状態で、一部 には「経済が低迷する日本では根付かない」(業界関係者)との声も聞こえてくる。

思い返してみると、バブルの頃には確かに、ボージョレ・ヌーボーやらフランス料理やらにそれこそ万の単位のお金をつぎ込んだりする”見るからにバブリーな人”が、周囲にそこそこの比率で存在しました。私は元々その手の”バブリー”な世界には全く無縁だったのと、気づけばいつの間にかそのバブル自体が崩壊したため、ボージョレの値段も2000円程度まで下がってきたのをお店などで確認したことはあっても、実際に買ったり飲んだりしたことは一度もありませんでした。

そんな無縁の飲み物だったボージョレ・ヌーボーが、まさに鴨がネギしょって来るかのように向こうからやってきたのが、2005年秋に渡ったドイツでした。ちょうどその頃がボージョレ・ヌーボーの解禁日でもあったのですが、ドイツのスーパーでボージョレを発見して何よりも驚いたのが、そのその価格の安さもさることながら、日本では考えられないようなその陳列のされ方でした。その当時写真を撮らなかったのが残念ですが、今年のボージョレの売り場も例年と大差ないので、つい最近撮った写真を以下に提示します。

この写真を見てもわかる通り、ドイツではボージョレ・ヌーボー、随分ぞんざいな置かれ方をしています。ワインコーナーの棚に乗せて陳列されることもなく、フランスから送られてきた箱のまま(その箱も、ディスプレイ用の一箱を除き、空けられてすらいない)、しかも値札がこれまたぞんざいに床に放置されているという、なんだかボージョレ君の嘆きボヤキが聞こえてきそうな光景です。価格も、日本では500円を切るものも登場しているそうですが、ドイツだと2.99ユーロ、今の円高時代のレートで310円程度です。なお、2005年の時点で同スーパーに並んでいたボージョレは2.49ユーロと今よりさらに安かったのですが、当時は1ユーロが170円近くという空前のユーロ高でしたので、420円程度だったことになります。

この雑な扱われ方のドイツのボージョレ君があまりに気の毒で、ワタクシ、今年ついに人生で初めて、ボージョレ・ヌーボーを買ってしまいました!わが人生で、まさかボージョレ・ヌーボーを買う日が来ようとは、バブルの時代には夢にも思わなかったことです。ボージョレ君がさみしがらないようにと、お仲間として地元特産のアップルワイン君も一緒に我が家にやってきた…というのが、以下の写真です。

参考までに、左がフランクフルト特産アップルワインですが、750mlで1.75ユーロ(≒182円程度)です。ドイツには元々安いアルコールが多いのですが、「ドイツといえばビール」とも言われるように、こちらのビールは一瓶(500ml)が100円以下という、日本ではありえないような激安ぶりです。私は普段はお酒を飲まないのであまり恩恵にあずかっていないのですが、酒好きな日本人はこちらでは皆「ドイツは天国!」と口を揃えて言っています。

以上からも、ボージョレの扱いがぞんざいな理由が見えてきます。ボージョレはドイツ人には(味の割には)やはり高いのです。他の酒の安さもさることながら、通常のワインも最多価格帯が2.99~3.99ユーロ程度なので、同じカネを出すなら何も新酒を買う必要はなく、せっかくならもう少し金額を足してより高級なワインへ、あるいは他の種類の酒へと流れるのかもしれません。

なお、冒頭に引用した産経新聞の記事の中の、「経済が低迷する日本では根付かない」という一節には、大いに違和感を感じます。今年のドイツ経済はかつてないほどの好調ぶりを示し、物価上昇にも関わらず個別消費がかなり伸びていると、ニュースで連日報じられています。今のドイツは一種のバブル期に相当すると考えられますが、それでもボージョレは万単位の価格になることもなければ、解禁イベントなどもちろん皆無です。経済がどうというよりも、バカ騒ぎが好きか嫌いか、仕掛けに乗りやすいか乗りにくいかという国民性の違いと、バブル崩壊の痛みを経験して少なからぬ日本人が理性的判断と合理的消費行動を身に着けたと考える方が、説明になっている気がします。

ドイツで思わぬご縁のあったボージョレ君、ぞんざいに箱ごと放置されながらも細々と、それでも毎年がんばって店頭に並ぶ姿に情が移ったのか、私は今年とても美味しくいただくことができました。おそらくこの調子だと、来年もまた同じような経緯で情が移ることになりそうで(笑)、どんな料理に合わせようかなど、今からその日に思いを巡らせて楽しみにしております。


バックナンバー>>
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483