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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2011/11/25

ドイツ流「GO!GO!省エネ」(5)…欧州版リンス・イン・シャンプー「2in1」の威力と効能

 環境大国の呼び名の高いドイツにおける、日本であまり語られることのない『省エネ』の実態について、これまで具体例を挙げて説明してきましたが、これまでの「すすぎ水」(→ドイツ流「GO!GO!省エネ」はひたすら節水(1)…「すすぎ水」の衝撃体験)や「残留洗剤」(→ドイツ流「GO!GO!省エネ」(4)…ドラム式洗濯機事件にみるドイツのエコ事情)の話などから、「ドイツはとんでもない国」と思われてしまう方もいらっしゃるかもしれません。生活の便利さや快適さなど、色々な面で日本と比べて暮らしにくいところの多いドイツ(を含むヨーロッパ諸国)ではありますが、こればかりは日本よりもヨーロッパに明らかに軍配が上がると自信を持って断言できるものが一つあります(一つしかないという話も…苦笑)。それが今週のテーマ、「リンス・イン・シャンプー」です。

日本では特に女性の場合、シャンプーだけだと洗い上がりの髪がゴワつくことが避けられず、仕上げにリンスを必要とする人がほとんどではないかと思います。出張で泊まる日本のビジネスホテルでは、部屋には往々にしてリンス・イン・シャンプーとボディーソープの二種類の備え付けしかないことも多く、中には「女性客にはシャンプーとリンスのボトルをお貸しします」などと女性用アメニティーをサービスするホテルもあり、「リンス」や「女性用アメニティセット」が女性客を取り込むための一種の付加価値としての側面があることを、私自身がいまだによく経験します。

それが、ドイツに渡って早々に驚くことになります。どうやらドイツ人は男女を問わず、リンスを使う習慣があまり無いようなのです。ドイツでは週末ごとに同僚や友人たちを自宅に呼び合い、日本で言う「宅飲み」で大騒ぎして盛り上がる機会がとても多く、この習慣のおかげで色々な家庭にお邪魔することができました。あまり日本では馴染みのない”典型的なドイツ家庭の日常生活”というもの垣間見ることが出来たことは、特に渡独当初の不慣れな時期には大変助かりました。そんな毎度毎度のパーティーにおいて、手洗いを借りたりする際、どうしてもバス用品が目に入ります。そこで早い段階で気づいたのが、女性の一人暮らしの家であっても、リンスやコンディショナーをまず見かけないということと、彼らのバスルームでやたらと見かける「2 in 1」の文字でした。

実は、この「2 in 1」こそが、日本で言うところのリンス・イン・シャンプーなのです。シャンプーとリンスの二つが一つになっているという意味でしょうか。ちなみに、ドイツではシャンプーが「Shampoo」でリンスが「Spülung」、フランスだとシャンプーが「Shampooing」でリンスが「Après-Shampooing」ですが、リンス・イン・シャンプーは共に「2 in 1」です。

 

もちろん、ドイツのスーパーでもリンスやコンディショナーは普通に売っています。それどころか、リンスばかりを大安売りする事もあり、私は結構喜んで買っているのですが、友人たちはリンスには全く手を伸ばしません。フランスの場合はさらに極端で、売り場には基本的にシャンプーか「2 in 1」しかなく、リンス自体を置いていないこともザラです。当初はとても不思議に思ったため、スーパーで知人や同僚を見かけると、トッ捕まえて質問したものでした。

(ワタクシ) 「日本女性はみ~んなシャンプーの後は必ずリンスする(と思う)んだけど、ドイツやフランスの女性はしないの?」
(見るからにファッションに無頓着そうな女性同僚A) 「私は元々髪とか髪型とか一切執着ないから(キッパリ)。シャンプーだけで十分!」
(多少オシャレに関心ありそうな金髪女性同僚B) 「東洋人はハリとツヤのある髪質で有名だし、あなたの黒髪が羨ましいわ~。私なんか他のヨーロッパ人と同様、リンスしようがパックしようが元々の髪質がゴワゴワだから、無駄なことはしないと決めてるの!」
(同僚A&B) 「それに何よりも一番の理由は…(声を揃えて)…リンスしたらその分だけ水がムダになるから!」
(ワタクシ) 「(結局は節水に行き着くのか…と絶句)」

ドイツ人は風呂に入る習慣があまりなく、基本的に朝シャン派です。そんな彼らは、「容器ゴミは洗うな」(→ドイツ流「GO!GO!省エネ」(2)…「プラスチック容器のゴミは洗う?洗わない?」)のコラムでも述べたとおり、水を流しっぱなしにすることによる水の無駄遣いをとても警戒します。そんな彼らにとって、「シャンプーのみの場合」と「シャンプーとリンスを両方する場合」の水の使用量の差は、立派な環境問題でもあるのでしょう。「リンスをしないこと」には、この国ではそれだけの大義名分があるのです。あるいは、単に水道代をケチりたいだけなのかもしれませんが、それでも彼らにとっては十分納得のいく生活行為といえるでしょう。

ただ、やはりシャンプーだけだと髪のゴワつきが気になる人もいるのか、特に女性の家では「2 in 1」の文字の入ったボトルが出番となります。そして、そんな周囲の勧めに押される日々が続き、ある日私もついに欧州版リンス・イン・シャンプーを購入することになるのですが、この「2 in 1」が意外にも大変優秀なのです。日本のものだとどうしても残るゴワつきがかなり抑えられ、リンスがなくても比較的クシ通りの良い仕上がりとなり、しかも朝シャン時の水道使用量はほぼ半減です。ドイツ製品なら特にSchwarzkopfの2 in 1 シリーズ、フランスでは上記写真のLeader Priceのプライベートブランド商品が、特になめらかな洗い上がりとなりオススメです。すっかりファンになった私は、今や日本の自宅でもドイツやフランスから持ち帰った「2 in 1」シャンプーを使用しています。

そんな良い事づくめの「2 in 1」ですが、ありがたい効能がもう一つあります。水の使用量半減のみならず、シャワーに要する時間もまた半減することです。早朝の慌ただしい時間には、それまでリンスに要していた時間を別の準備に費やすことができるのは大変ありがたいものです。割と気の短いところのあるドイツ人にとって、なめらかなクシ通りのみならず節水と時間節約をももたらすリンス・イン・シャンプーは貴重な存在です。不思議なのは、世界に冠たる高いテクノロジーを誇り、多くの分野で世界一と言っても過言でないほどの高性能製品を多く擁する日本でありながら、なぜかリンス・イン・シャンプーの世界では様子が異なるということです。”節水と時間節約”はズバリ消費者利益であり、何よりも、欧州ではすでに達成されている以上、日本においても「消費者に優しい2 in 1」という技術革新に期待したいところです。

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