Nagoya Talents' Network - タレコラ

Dr.片山晴子 RSS Feed

金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2010/12/31

ドイツのテレビが明かした正真正銘の「食べても太らない方法」…断食編

前回ご紹介したのは、ドイツZDF(第2テレビ)の毎朝おなじみの情報番組『Volle Kanne』において、医学部を中退して流行歌手になったという変わった経歴を持つユルゲン・ドリュース(Jürgen Drews)さんが視聴者の疑問に答えた「太らない秘訣」でした(→ドイツのテレビが明かした正真正銘の「食べても太らない方法」…運動編)。番組司会者との会話の中から浮かび上がってきた正真正銘の「食べても太らない方法」は、整理すると以下の三か条に集約されました。

1.ハラが減らないうちは絶対に食べない
  (=ハラが減るまでしっかり待ってから食事する≒間食も厳禁)
2.摂る食事は「腹八分目」に抑える
3.運動をする

上記のうち、通常の社会生活を営む人間が最も実践することが難しいのは、「1.」ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。例えば、工場勤務や窓口勤務などで昼休みの時間が雇用主サイドであらかじめ決められており、その休み時間を逃すと終業まで食事のチャンスが無いという人は、「ハラは減っていないけど、今食べておかねば…」となるでしょう。そして、夜は夜で帰宅するまで食事にありつけないとなれば、それまで幾度も間食をしてしのぐことになります。ドイツのロックンローラーが提唱した「1.」を言い換えると、『”とことん空腹”と”そこそこ満腹”の間を往復せよ』ということになるかと思いますが、そうすると空腹が一日5回襲ってくる日もあれば、2回しか襲ってこない日もあるかもしれませんし、そもそも何時に襲ってくるのかも予測不能です。そんな生活ができるのは、時間の縛りの少ない自由業なればこそです。となると、コバラのすいたフツーの社会人は一体どうしたらよいのでしょう?

そこで参考になるのが、『元祖!大食い王決定戦』(TV東京)にも出てくる大食い選手の、普段の食生活です。

彼らに日常の食生活について聞いてみると、「一日一食」という人が比較的多いのが特徴的です。それ以外のパターンとしては、朝は「ジュースのみ」「ヨーグルトのみ」、昼は抜き、夜だけしっかり食べるといった具体的な話も耳にします。いずれにしても、彼らの話が本当だとすれば、彼らの一日一回の食事の前には、飢餓感にも似た徹底した空腹が作り上げらていると推測され、それを実践するための強い意志力が要求されることも想像がつきます。まさに「断食と大食いのサンドイッチ状態」のようなもので、普通の人にとってはとてもハードルの高い話です。ただ、大食い選手の中には「別に一日中何も食べない日があっても、それはそれで苦にならない」とサラリと言ってのけるような、言ってみれば空腹や断食に対する耐性が極めて高いタイプが相当数いることも把握しています。一日に必要とするカロリーを一食のみで摂り、それ以外は徹底的に断食するということがもし可能であれば、その人は太ることはないはずです。しかし逆に、断食のない大食いは確実に「太る」ことに直結してきます。「太らない大食い」とは、(そこに代償行為が一切無い場合)あくまでも「断食」とのセットでのみ存在しうるものであり、「大食い」単独では成立し得ないということを忘れてはいけません。

よく、「一日一食や一日二食は太る」という話を耳にしますが、実際のところは食事回数云々という以上に、あまりの空腹に耐えかねてか、断食部分が完遂できていないことで太っている可能性が高いと考えられます。そういえば、有名タレントさんの中には、「一日一食」を公言して実践している方が少なからずいるようです。華やかなショービジネスの中心で活躍する人物の場合、常人離れした仕事のプレッシャーや分刻みの多忙なスケジュールの真っただ中にあって、「一日一食大食い」でないとカロリー摂取もストレス発散も困難なのかもしれません。それでいて、その本業の原動力たる折り紙つきの強靭な意志力を以って、間食の誘惑を断っているのかもしれません。

なお、話が個人的になりますが、医師の生活の中にも「断食」は目白押しです。特に外科系勤務医の場合、手術中は何時間も飲食ができませんし、切れ目無く患者さんを診察する外来診療日は朝から夕方まで食事抜きとなることもザラです。20時間を超える大手術を終え、ICU(集中治療室)に術後の患者さんを送ったあと、明け方近くに医局に戻ってきてようやく口にすることができた冷え切った宅配ピザなどは、涙が出るほど美味しかったものです。そんな「断食」の反動としてか、外科系医師の中には「大食い」の人が割と多い印象があります。もっとも、この場合の「断食」は仕事上の必要に迫られて誰もがやらざるを得ないものであり、自ら課したルールでも自分への挑戦でもないところが大きく異なっています。

先日撮影を終えた『元祖!大食い王決定戦 2011 新春地方女性新人戦・東京決戦』(仮)は、年明けの1月8日(土)にオンエアを予定しています。選手たちの熱い大食いパフォーマンスを見ていただく際は是非、前回および今回のコラムを参考にしていただければ幸いです。


<参考サイト>
Jürgen Drews Official Website

Wikipedia – Jürgen Drews
バックナンバー>>
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472