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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2010/11/05

大食い国内ロケの意味(3)…完全休養日の消滅

毎年3月末と9月末、番組改編期の特別番組として放送される『元祖!大食い王決定戦』(TV東京)の本選大会は、1990年代の大食いブームを牽引した数多くの大食いスターを輩出した『TVチャンピオン 大食い選手権』を継承する番組として、2005年にリニューアルスタートしました。そして、関東・北信越・北海道における全編国内ロケによる制作を経て、2007年春からは(番組後半部分のみではありますが)その舞台を海外に移して激戦の模様を撮影してきました。しかし、その海外ロケも、今年の9月26日放送分となった秋の本選をもってついに途絶えたのでした。

それでは、この「国内回帰」という決断は当番組にどのような影響を及ぼしたでしょうか。過去の大会と今大会の最大の相違点を考察する上での重要なヒントは、実はそのロケスケジュールの長さと試合数の組み合わせの中に隠れています。

具体的に説明していきましょう。まず、以下に”かつての国内ロケ”の代表例として、国内最後(?)となった2006年秋の北海道における本選(優勝:ジャイアント白田)のスケジュールを簡単に列記します。

【第1日】5:30集合→「前フリ」撮影→羽田空港から飛行機移動→8:50女満別空港着、以降バス移動、1回戦2回戦→20:30ホテル着、夕食、22:00解散
【第2日】7:30出発、準々決勝準決勝、 →22:30ホテル着、決勝進出者インタビュー収録→0:00撮影終了
【第3日】10:30出発、決勝→17:30撮影終了、釧路空港から飛行機移動→21:50帰京、解散

2005年春から2006年秋までの間は、詳細に多少の相違はあるものの、当番組のロケはいずれも上記のような3日間で5試合を消化するスケジュールを組んでいました。初日と2日目に2試合ずつをこなし、最終日は決勝だけを行い帰路につくというものです。2日目の夜まで残った選手は、決勝前夜のインタビューの頃には皆さん相当ヘロヘロ状態ですが、泣いても笑ってもあと一日だと自分に気合を入れて最終日の収録を乗り切っていました。

次に、”海外ロケ”の代表例として、2009年の秋のマカオおける本選(優勝:アンジェラ佐藤)のスケジュールを紹介します。(マカオでの時刻は現地時間)

【第1日】5:30集合→「前フリ」撮影、1回戦2回戦→ 21:30撮影終了、1:50ホテル着、解散
【第2日】7:45出発、3回戦→成田空港から飛行機移動(フライト4時間30分)→22:25香港着、フェリー移動→2:30マカオ港着、ホテル移動・全員で食事、5:00解散
【第3日】12:30集合、世界遺産巡り・撮影(大食い競技無し)、全員で夕食、22:00解散
【第4日】7:15集合→「前フリ」、準々決勝準決勝、決勝進出者インタビュー収録→23:30撮影終了
【第5日】スタッフ9:30出発、選手12:30出発、13:00「前フリ」、決勝→16:30 撮影終了、19:30より全員で打ち上げパーティー!
【第6日】7:30チェックアウト、帰国の途へ。フェリーで香港入り、香港発の飛行機で20:20成田空港着、解散

海外ロケとなってからの当番組は、基本的に約1週間で6試合を消化するスケジュールを取っております。もっとも、今年の春の女王戦(ハワイ)の場合のみ、帰路のフライト予約に失敗したとの(嬉しい?!)大誤算から、全日程8日間で6試合、それも大食い競技の無い休養日が京都で半日、ハワイで丸二日という、「過密」と「スカスカ」が交互にやってくる摩訶不思議なロケとなったのですが、それはあくまでも例外中の例外です。上記の2大会を見比べてみると、当大会が国内ロケから海外ロケに舵を切ることにより、真っ先に、そして劇的にあらわれた変化は「トータルスパンの延長」と「試合数の増加」であることがわかります。しかし、海外ロケの効能はそれだけに留まりませんでした。当番組を語る上で最も画期的だった変化は、「フライト移動」とそれに伴う「胃の休息日」の導入に尽きると言っても良いでしょう。参加選手からみても、大会が「2泊3日の国内旅行」から「4泊6日の海外旅行」に様変わりしたことは、陸上選手が競技会でのエントリー種目を100m走から1万メートル走に変更するほどの話に匹敵します。それくらい、両者は選手に求められる適性も資質も違えば、大会前の準備の仕方も決定的に変わってくるのです。

それでは、上記2大会の日程と、以下に記す「初の国内回帰」となった本年秋の本選(優勝:寺坂卓也)の日程を見比べてみて下さい。

【第1日】7:00集合→「前フリ」、1回戦2回戦→八戸港よりフェリー移動(乗船時間約9時間)
【第2日】7:00苫小牧港着、3回戦、ラフティング(ボートで川下り)、19:30ホテル着、宴会会場にて選手食事風景撮影→22:30撮影終了、その後しばしの宴会ののち解散
【第3日】6:50集合→「前フリ」、上富良野にて番組カット撮影、準々決勝準決勝、21:30撮影終了、21:50ホテル着、23:00決勝進出者インタビュー収録→解散
【第4日】11:30集合→「前フリ」、決勝→21:35撮影終了、22:00ホテル着、全員で打ち上げパーティー!
【第5日】9:15チェックアウト、釧路空港より飛行機移動→13:55羽田空港着、解散

初の国内回帰となったロケは、ご覧のような5日で6試合というスケジュールになりました。そして、ここにきてついに、「胃の休息日」と呼ばれてきた完全休養日が消滅するに至ったのです。この完全休養日の消滅は、思わぬ医学的な影響を選手の体に残しました。考えようによっては、かつての国内ロケよりも、そして最近までの海外ロケよりもキツい、今大会は当番組史上最も過酷な大会だったと言えるかもしれません。そう考える根拠については、来週以降説明していきたいと思います。
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