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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2010/06/04

フィギュアスケートと大食い…ライザの不振

先週も紹介した通り、今年の秋の大会へのシード権をかけた熱き戦いが、現在進行中でありますこの『元祖!大食い王決定戦』(TV東京)の地方予選および新人王決定戦の模様は、2010年6月26日(土)のオンエアを予定しているとのことです。是非ご期待下さい。

今回の地方予選は、奈良・福岡・仙台に引き続き、札幌で行われました。そして、仙台から札幌入りした我々スタッフ一同は、ホテルへのチェックインもそこそこに、夜の街に繰り出したのでした。「素敵な舟盛りナイト」と称するその宴会は、フレッシュな海の幸と美味い酒を囲んだ大変にぎやかなものでした。そのときの模様は、番組の司会を務めるアンジャッシュ・渡部建さんのツイッターにも詳細に報告されているので、興味のある方は是非のぞいてみて下さい。

渡部建さん撮影の「舟盛り」はコレです!↓
http://twitpic.com/1s3rlk

この一次会でひとしきり盛り上がった後、スタッフの一人が宴会を離れて別行動をとりました。何と、アンジェラ佐藤に会ってきたのだそうです。前回のハワイ大会の決勝で敗退したアンジェラ佐藤こと佐藤綾里さんは、いまも札幌在住のようです。2010年春のハワイでの女王戦の時はまるで元気がなく、その後に一時期連絡を絶ったことから、スタッフ一同を大いに心配させた彼女でしたが、今は割と元気そうであるとのことで、ひとまず安心した次第です。

さて、話は大食いとフィギュアスケートの比較考察に戻ります。当番組史上初の女王戦三連覇を成し遂げた菅原初代さんは、フィギュア界不滅の絶対王者として君臨する「エフゲニー・プルシェンコ」(ロシア)に相当する存在と考えてよいでしょう。番組内で独自の世界を醸し出しているロシアン佐藤さんは「ジョニー・ウィアー」(アメリカ)、三年越しのカムバック劇を見せた三宅智子さんは「ステファン・リンデマン」(ドイツ)…などと、多少なりとも強引に線で繋げていくと、意外にも大食い界とフィギュア界はその構図に類似点が多いことに気づきます。(→ハワイの記憶(2)…「フィギュアスケートと大食い」、→フィギュアスケートと大食い…「復帰組vs.現役組」

しかし、唯一、誤算もありました。バンクーバーオリンピックの男子シングルで王者プルシェンコを僅差で上回り、見事に金メダルの栄誉に輝いた「エヴァン・ライザチェク」(アメリカ)に相当する存在が、『元祖!大食い王決定戦』には降臨しなかったのです。

以前のコラムにも述べましたが、エヴァン・ライザチェク選手は前年(2009年)の世界王者であり、2009年のグランプリファイナル王者でもあります(ちなみに2010年全米選手権は2位)。しかし、これらのタイトルはいずれも絶対王者たる「プルシェンコ」の不在下のものです。一方、当番組のアンジェラ佐藤さんは2009年秋に「男女統一王者」という、あの菅原さんでさえ一度も手にしたことのない大きなタイトルを手にしましたが、これまた菅原さん不在下に獲得したものでありました。

このように類似した構図を見比べれば、たまたまバンクーバー五輪の開催期間と重なったハワイの大食い女王戦においても、オリンピックでの「プルシェンコvs. ライザ」以上のドラマが、「スガワラvs. アンジェラ」でも見られるのではないかと、ついつい勝手に期待してしまいます。もっとも、そんなことを考えていたのは私だけだったようです。しかし、このロケに関しては、大食いとフィギュアスケートのシナリオは、残念ながらシンクロしませんでした。ライザチェクが一世一代の人生最高の演技をバンクーバーで披露したのに対し、アンジェラ佐藤はロケの最初から最後まで、どん底の不振状態から抜け出すことはありませんでした。

そして決勝終了から一ヶ月余り経ち、テレビから流れるアンジェラ佐藤の敗戦の弁は、以下のようなものでした。

「過信に負けました」

しかし、実際の彼女が過信に負けたとは、スタッフ一同、誰一人として思ってはいなかったでしょう。どちらかというと、周囲のスタッフの期待から逃げ切れなかったという後ろ向きのメンタル状態ひいては自信の無さが敗因と考えられます。事前の体調管理がうまくいかず、コンディション不良のままロケに突入したことも、自信喪失の大いなる要因でした。

そんな彼女が浮揚のきっかけを掴むヒントがあるとしたら、それは本家こと「ライザチェク」にあるのではないか…私はそう思うのです。バンクーバー五輪男子シングルにおいて、最終滑走者だったエフゲニー・プルシェンコのフリースケーティングの得点が出た瞬間、自身の金メダル確定に興奮を抑えきれず、エヴァン・ライザチェクは咄嗟にこう叫んでいました。

「ノーウェイ (No way)!」

日本語に訳したら、「ありえな~い!」とでもなりましょうか。勝つつもりもなけれぱ、勝算もゼロだった人物に、ビッグタイトルが転がり込んできた瞬間でした。もちろん、それまでに体調管理やプログラムの微調整などのあらゆる方便を尽くし、天命を待った結果でもあったでしょう。もっとも、周囲の下馬評が圧倒的に「プルシェンコ有利」の中、より少ないプレッシャーで試合に臨むことができた点も見逃せません。そのあたりが、「打倒スガワラ」の一番手として、さらに番組浮沈の鍵を握る「番組髄一の美人選手」として、スタッフから強い期待をかけられたアンジェラとの差でもあったことでしょう。

ちなみに、先ほどの「ノーウェイ」発言の後、ライザチェクはテレビ取材に対し、こうも言っていました。

「優勝すると思っていなかったので、コメントを用意してません!」

周囲の報道陣が大爆笑に陥ったのは言うまでもありません。アンジェラさんも、一度自分の実績や戦いの記憶を頭の中できれいにリセットし、オリンピックでのライザチェクのように無欲無心の状態から再度番組にチャレンジした場合、本当に菅原さんを脅かす存在になることができるかもしれません。大食い選手としてのポテンシャルはとびきり高い人だけに、新生アンジェラの華麗なる降臨が待たれるところです。

 

(2010年2月17日撮影。決勝当日の朝、撮影開始前に道端で休憩する梅村鈴・菅原初代・佐藤綾里の3選手。左端のAD入山氏は、このような空き時間にも買い出しや選手の愚痴の相手など、フルに活躍している)

<参考資料>
Wikipedia - エヴァン・ライザチェク

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