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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2010/05/14

フィギュアスケートと大食い…「復帰組vs.現役組」

2010年2月中旬に収録が行われた春の女王戦こと『元祖!大食い王決定戦 in Hawaii』(TV東京)と、その当時競技が行われていたバンクーバーオリンピックのフィギュアスケート男子シングルには、随分と多くの共通点があるということを述べたのが、先週までの連載内容でした。そして、今週取りあげるのは、これまた両者の共通点だった「復帰組vs.現役組」というものです。オリンピックの争点と大食い番組の争点がたまたま一致していただけとはいえ、当時ハワイでオリンピック中継を見ながら、そのあまりに絶妙のタイミングに、色々と考えさせられたことを思い出します。

まず、バンクーバーにおける「復帰組vs.現役組」を見てみましょう。以前のコラムにも挙げたように、この五輪では「フィギュア界の皇帝」の異名をとる2006年トリノ五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)に(→菅原初代とエフゲニー・プルシェンコ(1))、「氷上の貴公子」とも呼ばれる2006年トリノ五輪銀メダリスト、ステファン・ランビエール(→菅原初代とエフゲニー・プルシェンコ(3)…ショーよりもコンペティション!)という、トリノのメダリストが2人現役復帰してきました。また、今大会の最年長選手として参加したステファン・リンデマン(ドイツ)は、2006年のトリノ五輪で21位となった後、負傷により丸3シーズンの長きを棒に振りましたが、オリンピックシーズンに劇的にカムバックしてバンクーバー行きの切符をつかみました。2005年世界選手権では銅メダルに輝いた「元祖!ドイツのエース」の復活に、ドイツ国内は結構沸いていたのですが、バンクーバーでは22位に終わりました。

そして、そんなベテラン復帰組を迎え撃つ現役組として、2009年世界王者のエヴァン・ライザチェクにジョニー・ウィアー、ジェレミー・アボットという3名のアメリカ代表、そしてフィギュア王国日本を代表する高橋大輔・織田信成・小塚崇彦の3選手、さらにカナダのパトリック・チャンなどが地元メディアで挙げられ、「復帰組vs.現役組」という対立軸が鮮明に打ち出されていました。それも、「現役の若手世代は、皇帝プルシェンコを倒すことができるのか?!」というのがこの大会の最大の争点という扱いで、ひいては「北米vs.ロシア」というニュアンスも匂ってくるような内容でした。

その対立軸は、まさにわれらが『元祖!大食い王決定戦』(TV東京)のハワイ決戦における争点とも完全に一致しておりました。そして、目の前で進行する大食いロケと、ホテルの自室に戻って見るオリンピック中継との間に、奇妙なシンクロ性を見出すのでありました。

今年の「元祖!大食い王決定戦」は、復帰組の明暗を分ける大会になりました。今年の菅原初代さんは、2009年春の破格の強さに比べたら、実戦ブランクの関係なのか、わずかな翳りが見えたようにも思われ、それはちょうど、バンクーバーにおける皇帝プルシェンコのわずかなほころびにもシンクロするように思われました。しかし、菅原さんのほころびは、彼女からその王座を剥ぎ取ることは無かったのに対し、プルシェンコのほころびは、胸のメダルの色を変えてしまう痛恨の結果に終わりました。その後、ジャッジに対するメール工作の存在がすっぱ抜かれたり、プルシェンコがジャッジに対し異例の抗議表明をするという場外乱闘的展開もありましたが、そこは採点競技であるフィギュアスケートと、一応は食べた絶対量で勝負が決まる大食い競技の差である…とも言うことができるかもしれません。

また、同じく復帰組でも、4年ぶりの出場となった大食いタレント・三宅智子さんは、「2006年春を最後に丸3シーズンのブランクからカムバック」という、前述のステファン・リンデマンと全く同じパターンで当番組に復帰してきましたが、リンデマン同様、大会では実力を発揮しきれずに終わりました。元々、大食い競技の生き字引かと思うほどに競技に対する理解が深い人だけに、十分な準備期間と整ったコンディションで再びチャレンジして欲しい存在であります。かのリンデマン選手は負傷ブランクこそあれ、これまでに引退を表明したことは実はありません。日本の三宅智子選手にも是非、四年に一度でも構わないので、再び大食い競技の場に鮮やかな彩りを加え続けて欲しいものです。

実は決勝戦当日、決勝会場であるハワイのロイヤルハワイアンセンターに向かう途上、私とプロデューサーはこんな立ち話をしたものです。

片 「ライザ君が勝ちましたね~。まさかプルシェンコが負けるとは」
プ 「となると、うちのプルシェンコは、どーなることやら…(汗)」
片 「うちのライザも健闘してくれるのやら…(ため息)」
プ 「ところで、誰が誰なの?プルシェンコは当然あの人だろうけど」

この頃は、連日の五輪中継観戦により脳内が完璧にフィギュアに染まっていたので、私の中にはある程度の相関図が出来上がっていましたが、プロデューサーはフィギュアスケートにはあまり興味が無かったようです。

来週は、その辺について追加説明したいと思います。

 



(2010年2月17日撮影。決勝戦の会場に徒歩で向かう当番組プロデューサー、ディレクターおよびカメラスタッフ。ちなみに右端は、前日の準決勝で敗退したためスタッフの一員となり、日ごろの勤勉な働きぶりを発揮したハッピ姿の宮西亜紗美さん)

<参考資料>
ISU – XXI Olympic Winter Games 2010 – Men Final Results

ISU Biography – Stefan Lindemann
http://www.isuresults.com/bios/isufs00000118.htm

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