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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2007/11/02

前書き〜火中の栗を大食い?

ある日の午後、携帯電話に留守録が入っていました。

「昨日の放送では、おかげさまで大変すばらしい視聴率が取れましたので、お礼の電話を…etc.」などと
声も完璧にうわずった『元祖大食い王決定戦』(テレビ東京)のプロデューサーの1人からのメッセージです。ムムッ、今までこんな電話かかってきたことなかったのに…。そう思っていたら、翌日の新聞紙面にデカデカと載りました。9月30日放送の3時間スペシャルだったこの番組は、テレビ東京歴代2位の快挙となる19.7%という高視聴率を獲得したようです。

そもそも、この番組と私との出会いは2005年初め。
民間の医師派遣会社から届いた1通のメールにさかのぼります。メールで配信される求人の中に、「大食い番組が撮影帯同医師を募集している」という、何とも毛並みの違う募集がありました。前代未聞の依頼内容のみならず、募集先が医療機関でなくテレビの制作会社というだけでもかなり異例です。

私自身は元々、それまで大食い番組を1度も見たことがない、全くの「大食い素人」。しかも専門は脳神経外科。多少悩みましたが、ひとまず制作会社の担当者に会ってみました。その時お話頂いた内容は、大食い番組は、それを真似た中学生の死亡事故があったことにより三年間放送を自粛していた。長い沈黙を破って満を持して復活させるにあたり、医師による健康管理を徹底したいとのこと。テレビ東京及び制作会社である「零クリエイト」の熱意は、さすがは大食い番組の「元祖」を名乗る人々ならではのもので、これは火中の栗を拾うような話かもしれないと思いつつも引き受けました。こうして迎えた2005年の春。見るも初めての大食いの世界に、私は足を踏み入れたのでした…。

このサイトでは、大食い番組の撮影帯同医師(番組ドクター)として見てきた事、会ってきた人、様々な観点からまとめたコラムを毎週掲載していく予定です。大食いファンから大食い素人まで、皆様の理解をさらに深めることに貢献できればと思います。

ちなみに広辞苑によると「火中の栗を拾う」の意味は、「他人の利益のために危険をおかして、バカなめにあうこと」と説明されています。

大食い撮影帯同医師の仕事は予想以上に幅広く、医学の範疇にとどまらない部分が重要だったり、非常に規制や制約の多い中でこなさないとならない難しさがあります。ただ 単にドクターストップだけ出していればいいような仕事ではなく、まさに「火中の栗を大食いするような業務」であるということに、私も最初から気づいていた訳ではありません。その辺の詳細についても、今後少しずつコラム内で紹介していこうと思っています。