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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2009/09/04

大食いとメイク(1)…日本女性編

2009年秋の「元祖!大食い王決定戦」(TV東京)は男女混合戦です。そのロケが8月27日から9月2日まで、前半は国内、後半は海外という従来の形で無事終了いたしました。本放送は9月27日(日)を予定しています。今年もドラマチックな熱戦続きの当番組を、ぜひ皆様でお楽しみいただければと思います。

さて、今回からは、大食いとメイクの関係について考えます。以前のコラムでも述べましたが、最近当番組に出場する大食い選手は美人揃いの傾向をますます強め、ファッションセンスも抜群で、さながら美女軍団の様相を呈してきました。そんな中でも、番組の5年の歴史の中で明らかに右肩上がりの進化を遂げてきたのが、女性選手のメイクではないでしょうか。当番組の第二回大会(2005年秋)のギャル曽根こと曽根菜津子さんの登場が契機となったのか、年に二回開催の番組予選の会場に占める「ギャルメイク」の比率が上がってきました。また、初出場時に化粧っ気の乏しかった選手が、出場を重ねるごとにメイク技術を向上させるというケースも増えており、それは過去のオンエア映像との比較でもわかるかと思います。ロケバス後方で女性選手がコンパクトとにらめっこする姿は、もう当番組おなじみの光景と呼んでも良いでしょう。

大食い選手のメイクを見ていると、そのメイクには一定の傾向があるような気がします。それは大別すると下記の三つでしょうか。

1) アイメイクが濃くなる傾向が強い
当番組出場の女性選手を見ていると、いわゆるギャルメイクに代表されるように、アイラインにアイシャドウ、マスカラからつけ睫毛まで、目を囲むように濃く塗る女性の増加が見てとれます。もっとも、これは大食い界独特のものではなく、日本全国津々浦々の若年女性全般にいえることではないかと思われます。そんな戦いに参戦していない人の方が珍しい昨今、当番組で頑なにノーメイクを貫いてきている「普通の宮西さん」こと、宮西亜紗美さんには、逆に希少価値があると言えましょう。そういえば、彼女のロケ中の口癖は「メイクをすると皮膚呼吸ができなくなる」でした。宮西さんから見たら、日本女性は、みんな呼吸困難に喘いでいるということになるのでしょうか?

2) カラーコンタクト使用者が多い
比較的多いのは、黒色のカラーコンタクト(カラコン)であるワンデーアキビュー・ディファイン(Johnson & Johnson: 最近は同デザインで二週間タイプのレンズもあり)でしょうか。ギャル曽根さんが装用しているのは有名ですが、当番組で衝撃デビューを果たしたアンジェラ佐藤こと佐藤綾里さんもまた、アキビュー・ディファインの愛用者であります。このレンズには、元々の黒目をさらに大きく見せつつ輪郭を強調する効果があります。他に、黒目の虹彩部分の色を青や緑に変えるレンズなどもあります。もっとも、カラコンの大ヒットは大食い選手だけの傾向とは言えません。名だたるJ-Popの歌姫たちや、ファッション雑誌の表紙を飾るタレントを見ても、カラコンはすっかり日本列島の隅々にまで普及した感があります。

3) チークカラーで顔色をカバーする
大食い選手の場合、桃のようなピンクや暖色系オレンジなど、顔の血色を良く見せる色使いが人気です。しかし、あまりにチークを広く濃く塗りすぎて、試合中の体調不良や顔色不良が極めて判定しにくいケースが多々あります。このような場合、往々にして凝ったネイルアートを伴い、爪の色ツヤでの体調判断が不可能になることが多いのが、実に医者泣かせでもあります。一度、ある選手にこちらから注意したことがありましたが、「体調とかを周囲に知られたくないから、そうするのだ」と即答され、とても驚いたことがありました。

こうして改めて書き出してみると、メイクとはそもそもが何かを隠す行為だということに気づかされます。どんな絶世の美女にも、容姿へのコンプレックスが一つや二つはあるものです。それでも、実際にメイクにはげんでいる最中の彼女たちは、結構楽しそうです。

その一例として、前回の新人発掘戦・福島予選にゲストとして登場し、黒白のプリントワンピースに、清楚な感じのメイクとウィグ(付け毛)を合わせ、まるでオードリー・ヘップバーンのように華麗に変身した(?)菅原初代さんの写真をお見せしたいと思います。当番組登場当初はほとんど化粧っ気がなかった彼女に、制作会社が「女王に相応しいメイクを」などという理由で専属メイクをつけた結果、こうなった訳ですが、このロケの移動の合間、彼女は持ち前の好奇心を前面に出して、そのメイクさんに質問攻めをしていました。

 

(2009年5月30日、新人発掘戦・福島ロケにて撮影。ロケバス後方座席にてメイク担当者に顔を作ってもらう女王・菅原初代の至福の表情に注目)

鬼気迫る表情でラーメンをすすっていた女性が、アイライナーはペンシルタイプとリキッドタイプのどちらが良いのか、とか、ハイライトの使い方など、少女のような可愛らしい質問をぶつけている姿は驚くほどにインパクトが強く、改めて女性にとっての「化粧」の奥深さを感じずにはいられません。