ドイツ人もビックリ!大食い美女軍団と二人のバイリンガル
この記事の掲載される日の翌日である8月8日は、2009年秋の男女混合戦である『元祖!大食い王決定戦』(TV東京)の大阪予選の当日であり、夏の甲子園こと第91回全国高等学校野球選手権大会(朝日新聞社主催、阪神甲子園球場)でもあります。昨年に引き続き高校野球と大食いロケの開幕日が重なってしまったことは実に残念ですが、この時期になると私は必然的に、野球取材と大食いロケ管理を兼ねて日本に帰国することになります。
渡独してからというもの、日本に帰国する度に痛烈に実感するのは、男女を問わず、街行く人がとてもオシャレだということです。ドイツは欧州でも特に質素倹約の徹底した国で、住宅と海外旅行には目一杯金をかけるものの、髪形や化粧、服飾にはどちらかというと無頓着な傾向にあります。例えば、ドイツの駅では女性はほとんどジーパン姿で、スカートをはいている人自体が少ないのですが、日本に来ると、キュートなワンピースやカラフルなフリルスカートが至るところに躍動していますし、小物のコーディネートの卓抜さなど感動すら覚えます。欧州でも、フランスやベルギーなどのフランス語圏であれば、キレイに着飾った女性の数も日本とあまり遜色ないだけに、体格が大きくてゴツいドイツ女性がまるでアマゾネスに見えてしまう今日この頃であります。
また、食文化についても、日本はどちらかというとフランス語圏の国に近いようです。繊細かつデコラティブな食事を楽しむ文化があまり成熟しているとは言いがたいドイツにいると、(現代の)日本が(ドイツよりも)フランス志向になるのも無理ないかも…などと思ってしまいます。
「食べることが好きなオシャレ民族」としての日本人、という点については、最近強力な賛同者があらわれました。今日はそのことについて書いてみたいと思います。
2009年春の女王戦の本選のうち、国内ロケーションだった三試合を思い出していただければと思います。三回戦となった浅草の玉姫稲荷神社の「天ぷら茶漬け」のみ、他の国内二箇所と違う点がありました。それは、この試合だけ、悪天候のために会場が屋外から室内に急遽変更となったということです。会場が狭かったこともあり、この試合は今大会中、一般客が観覧できなかった唯一の試合となりました。(→大食いドクターのカバンの中身(10)…スリーインワン温度計inシドニー)
しかし、例外となるギャラリーがただ一人、しかも異国から来ました。私の知人であるドイツ人女性で、たまたま日本での学会に参加する夫に付き添って来日中でした。親日家の彼女に、かねてから日本の大食いの話を広めていた私は、「百聞は一見にしかずだから」とロケ見学を強く勧めていたのでした。
唯一のギャラリーであるドイツ人の横で、白衣を着ながら、競技のルールや選手のプロフィールを(当然ドイツ語で)必死こいて説明しつつ、選手の健康チェックも平行して行う…というのは、私にとって異例かつ新鮮な経験でした。しかし、それよりも新鮮だったのは、彼女の口から次々と出るコメントでした。
「大食いする女性って、もっと地味で目立たない人たちだとばかり思っていたけど、みんな明るくて洗練されていて、まるで美女軍団!」
「みんな、服装がとてもオシャレでスタイリッシュなだけでなく、ファッションに主張がある!」
「かなりスポーティーな競技なのね」
どうも彼女は、「大食い」をもっと暗くヒッソリとした性質のものだと思っていたようです。わが国が誇る大食い撫子(なでしこ)は、ドイツ人の期待をいい意味で大きく裏切ったようです。後日、「他のドイツ人にはできない経験をした」と述懐する彼女に対し、「いや、あれは日本人にもできない経験だったんですよ。あのロケは一般客禁制だったんだから!」と返すと、本人のみならず周囲も大爆笑で、コーヒータイムが大変盛り上がりました。
(2009年2月27日、浅草の玉姫稲荷神社社務所内にて。ロケ唯一のギャラリーであるドイツからのお客様に、競技食材である「天ぷら茶漬け」を堪能していただきました。「ンー、オイシイ!」と舌を打つ彼女の右横には、ゼロクリエイト制作の入山真也氏。右後方には、いわゆる「完食カット」用に、トップ選手の食べた数だけ茶漬けが並ぶ。この茶漬けは撮影後にそのままスタッフの食事に化ける。左後方には、カメラ諸氏やプロデューサーが美味そうに箸を動かし空腹を満たす様子が確認できる。「完食カット」については→大食い珍道中(3)~業界用語編(後))
余談ですが、試合終了後に私は選手ケアに追われて手が離せなくなり、このドイツ人女性の相手ができない時間が発生してしまいました。しかし、心配は不要でした。いつの間にか彼女の相手をしっかり務めてくれていたのが、「バイリンガル梅村」こと梅村鈴さんと、「普通の宮西さん」こと宮西亜沙美さんでした。「バイリンガル」はその卓越した英語力で、大食い競技全般や自分の仕事についてバリバリと説明したようで、わが知人も後に、その知性の高さをしきりに強調していました。また、「普通の人」は元々オーストリアでドイツ語を学んだ帰国子女で、二人はドイツ語で何やら会話が盛り上がっていました。かくなる非凡な人に「普通の…」というネーミングは大いに難があると言わざるを得ず、「バイリンガル二世・宮西」でも「普通じゃない宮西さん」でも行けるのではないかと思ってしまいます。
この二人のバイリンガルには、わが知人が大変お世話になっただけでなく、日独国際親善(?!)にまで貢献していただきました。二人の心優しい性格や気配りの上手さは、以前の番組ロケでも十分に見知っておりましたが、この件に関して私はすっかり二人に甘えてしまった形になりました。例のドイツ人女性も太鼓判を押していましたが、二人は番組の宝です!この紙面を借りて厚く感謝御礼申し上げる次第です。






