2009/07/10
マイケル・ジャクソンとアル・ヤンコビックと大食いの意外な関係
先日、驚くべき訃報が飛び込んできました。”キング・オブ・ポップス(King of Pops)”として知られるアメリカ人歌手のマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)が2009年6月25日、50歳の若さで亡くなりました。ワイドショーは連日マイケルの経歴及びディスコグラフィーを紹介し、懐かしすぎるビデオクリップがどの局の映像にも昼夜溢れておりました。
その、数限りないマイケルのヒット曲には、皆様それぞれ思い入れがあることでしょう。私の場合、マイケルのビデオクリップを見ると条件反射的に思い出すのが、”キング・オブ・パロディー(King of Parody)”こと、アル・ヤンコビック(Weird Al Yankovic)です。
アル・ヤンコビックは1959年生まれのアコーディオン奏者兼ポップシンガーで、1979年に大ヒットしたザ・ナック(The Knack)の『My Sharona』の替え歌である『My Bologna』で同年デビュー。1983年にマイケルの『Beat It (邦題:今夜はビート・イット)』(1983)のパロディー『Eat It (邦題:今夜もEAT IT)』(1984)の大ヒット(全米12位)でブレイク、翌年にはこの曲でグラミー賞獲得(最優秀コメディー・レコーディング賞)。彼は曲のみならずビデオクリップのクオリティーの高さにも定評があり、マイケルの『Bad』(1987)のパロディー『Fat』などは、オリジナルと全く同じ撮影場所で、同じ振り付けまで披露しながら、ダンサーが全員Fat(デブ)という徹底ぶり。マドンナ、ジェームズ・ブラウン、ロバート・パーマーなど、彼にパロられたアーティストは数知れず、その中でもマイケル・ジャクソンは特にアルが大のお気に入りだったとされ、アルのビデオクリップからは、マイケルの全面協力の跡を明瞭に見てとることができます。
YouTube:Eat It (“Weird Al” Yankovic)
参考) YouTube:Beat It (Michael Jackson)
YouTube:Fat (”Weird Al” Yankovic)
参考) YouTube:Bad (Michael Jackson)
アル・ヤンコビックのパロディーには、食べ物を扱った替え歌が多いのが特徴です。デビュー曲の『My Bologna』(ここでのBolognaはソーセージの一種)をはじめ、上記の『Eat It』『Fat』以外にも、ジョーン・ジェット『I Love Rock ’n’ Roll』(1982)のパロディー『I Love Rocky Road』(ここでのRocky Roadはアイスクリームのフレーバーの一種)などがあり、これらを集めた”大食い系パロディー曲集”とでもいうべきベストアルバム『The Food Album(邦題:旧曲のメニュー)』を1993年に発表しています。
今回、マイケルの訃報を受けて、思い出したように私はアルのアルバムを引っ張り出してきました。『The Food Album』を改めて聞きなおしてみたところ、あらまあビックリ…そこはまさにテレビ東京の世界ではありませんか!「元祖!大食い王決定戦」で見聞きしたような文言があちこちに…。ということで、代表して『Eat It』から、歌詞の一部を抜粋してみましょう(筆者意訳⇒さらにロケ中に実際に頻出するセリフに置き換えてみました)。
・Don’t wanna argue, I don’t wanna debate - Don’t wanna hear about what kind of food you hate:「当方、意見も文句も一切受け付けません。スタッフはあなたの好き嫌いなんか聞いちゃいません」⇒「出てきた食材に多少の不公平があるとしても、それは運です!スタッフも一生懸命ですので、その辺は文句言わずに食べて下さい」(制作会社ディレクター頻出表現)
・You won’t get no dessert ‘till you clean off your plate:「残さずキレイに食べないと、デザートあげませんよ!」⇒「もっとキレイに食べてっっ!」(総合演出プロデューサー頻出表現)
・So eat it, don’t you tell me you’re full:「食え!満腹なんて言わせない!」(『EAT IT』より)
・You better listen, better do what you’re told:「指示をよく聞き、よく従うべし」⇒「スタッフの言うことをよく聞くこと!」(今回新人戦ロケでワタクシ頻出表現)
・Just eat it, eat it, just eat it, ooh!:「とにかく食え、食え、ひたすら食え、ウー!」⇒「食って、食って、食いまくれ!」「オーッ!」(当番組超定番文句)
どうでしょう。『Eat It』だけでこれだけ”テレ東・大食いワールド”がちりばめられています。他の歌にも傑作が多く、過去に「元祖!大食い王決定戦」のBGMに採用されてこなかったのが、改めて不思議でなりません。歌詞カードを眺めるだけでも笑える『The Food Album(邦題:旧曲のメニュー)』、究極の大食いファン必聴アルバムとして、自信を持ってお勧めいたします。
こうしてアメリカンポップス界におけるアル・ヤンコビックの足跡を振り返ってみると、なんだか日本エンターテインメント界におけるテレビ東京の大食い番組の功績ないしテレビ東京自体の存在感といった話とダブってみえてしまう気がするのは、果たして私だけでしょうか。マイケル・ジャクソンという大御所を失った今、せめてわれらがアルには、とにかく末永い活躍をと願わずにはいられません。
参考資料)
Wikipedia “Weird Al” Yankovic
“Weird Al” Yankovic『Greatest Hits Volume II』日本版(廃盤)ライナーノーツ
“Weird Al” Yankovic『The Food Album』日本版(廃盤)ライナーノーツ
その、数限りないマイケルのヒット曲には、皆様それぞれ思い入れがあることでしょう。私の場合、マイケルのビデオクリップを見ると条件反射的に思い出すのが、”キング・オブ・パロディー(King of Parody)”こと、アル・ヤンコビック(Weird Al Yankovic)です。
アル・ヤンコビックは1959年生まれのアコーディオン奏者兼ポップシンガーで、1979年に大ヒットしたザ・ナック(The Knack)の『My Sharona』の替え歌である『My Bologna』で同年デビュー。1983年にマイケルの『Beat It (邦題:今夜はビート・イット)』(1983)のパロディー『Eat It (邦題:今夜もEAT IT)』(1984)の大ヒット(全米12位)でブレイク、翌年にはこの曲でグラミー賞獲得(最優秀コメディー・レコーディング賞)。彼は曲のみならずビデオクリップのクオリティーの高さにも定評があり、マイケルの『Bad』(1987)のパロディー『Fat』などは、オリジナルと全く同じ撮影場所で、同じ振り付けまで披露しながら、ダンサーが全員Fat(デブ)という徹底ぶり。マドンナ、ジェームズ・ブラウン、ロバート・パーマーなど、彼にパロられたアーティストは数知れず、その中でもマイケル・ジャクソンは特にアルが大のお気に入りだったとされ、アルのビデオクリップからは、マイケルの全面協力の跡を明瞭に見てとることができます。
YouTube:Eat It (“Weird Al” Yankovic)
参考) YouTube:Beat It (Michael Jackson)
YouTube:Fat (”Weird Al” Yankovic)
参考) YouTube:Bad (Michael Jackson)
アル・ヤンコビックのパロディーには、食べ物を扱った替え歌が多いのが特徴です。デビュー曲の『My Bologna』(ここでのBolognaはソーセージの一種)をはじめ、上記の『Eat It』『Fat』以外にも、ジョーン・ジェット『I Love Rock ’n’ Roll』(1982)のパロディー『I Love Rocky Road』(ここでのRocky Roadはアイスクリームのフレーバーの一種)などがあり、これらを集めた”大食い系パロディー曲集”とでもいうべきベストアルバム『The Food Album(邦題:旧曲のメニュー)』を1993年に発表しています。
今回、マイケルの訃報を受けて、思い出したように私はアルのアルバムを引っ張り出してきました。『The Food Album』を改めて聞きなおしてみたところ、あらまあビックリ…そこはまさにテレビ東京の世界ではありませんか!「元祖!大食い王決定戦」で見聞きしたような文言があちこちに…。ということで、代表して『Eat It』から、歌詞の一部を抜粋してみましょう(筆者意訳⇒さらにロケ中に実際に頻出するセリフに置き換えてみました)。
・Don’t wanna argue, I don’t wanna debate - Don’t wanna hear about what kind of food you hate:「当方、意見も文句も一切受け付けません。スタッフはあなたの好き嫌いなんか聞いちゃいません」⇒「出てきた食材に多少の不公平があるとしても、それは運です!スタッフも一生懸命ですので、その辺は文句言わずに食べて下さい」(制作会社ディレクター頻出表現)
・You won’t get no dessert ‘till you clean off your plate:「残さずキレイに食べないと、デザートあげませんよ!」⇒「もっとキレイに食べてっっ!」(総合演出プロデューサー頻出表現)
・So eat it, don’t you tell me you’re full:「食え!満腹なんて言わせない!」(『EAT IT』より)
・You better listen, better do what you’re told:「指示をよく聞き、よく従うべし」⇒「スタッフの言うことをよく聞くこと!」(今回新人戦ロケでワタクシ頻出表現)
・Just eat it, eat it, just eat it, ooh!:「とにかく食え、食え、ひたすら食え、ウー!」⇒「食って、食って、食いまくれ!」「オーッ!」(当番組超定番文句)
どうでしょう。『Eat It』だけでこれだけ”テレ東・大食いワールド”がちりばめられています。他の歌にも傑作が多く、過去に「元祖!大食い王決定戦」のBGMに採用されてこなかったのが、改めて不思議でなりません。歌詞カードを眺めるだけでも笑える『The Food Album(邦題:旧曲のメニュー)』、究極の大食いファン必聴アルバムとして、自信を持ってお勧めいたします。
こうしてアメリカンポップス界におけるアル・ヤンコビックの足跡を振り返ってみると、なんだか日本エンターテインメント界におけるテレビ東京の大食い番組の功績ないしテレビ東京自体の存在感といった話とダブってみえてしまう気がするのは、果たして私だけでしょうか。マイケル・ジャクソンという大御所を失った今、せめてわれらがアルには、とにかく末永い活躍をと願わずにはいられません。
参考資料)
Wikipedia “Weird Al” Yankovic
“Weird Al” Yankovic『Greatest Hits Volume II』日本版(廃盤)ライナーノーツ
“Weird Al” Yankovic『The Food Album』日本版(廃盤)ライナーノーツ





