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金曜日

Dr.片山晴子

高校野球取材や大食い番組等のメディア出演を行う東京大学医学部医学科卒の脳神経外科認定専門医の医学博士。ドイツ在住。
2009/06/26

大食いドクター流(!?)日独住宅事情比較

ドイツの住宅といえば、日本に比べて広くてゴージャス…そう考える方が多いのではないかと思います。しかし、ドイツの(一軒屋ではなく)集合住宅で生活してきた立場から言わせてもらうならば、以下の二点に対して大いに不満があります。それは、
1. 防音効果が無いに等しいこと
2. 断熱効果が乏しいこと
です。こう書くと、きっと意外に思われるでしょう。私も、実際に渡独するまで、ここまでひどいとは思っていませんでした。

1.についてですが、ドイツの家はとにかく壁が薄く、隣人の声や配管の音が恐ろしくよく聞こえます。左隣のニイチャンの観ている映画のセリフは聞き取れる、夜中に電話の呼び出し音で飛び起きてみたら、右隣のネーチャンの携帯電話だったりするなど、実例の枚挙にいとまがありません。しかも、上下左右の部屋からは水を流す音が、まるで自分のトイレかと思うほどハッキリと聞こえます。

ドイツの集合住宅の多くは、契約書に「夜の22時以降はトイレやシャワーなどの水を流すべからず」なる条項を盛り込んでいます。初めて見たときにはその意味が分からなかった私ですが、「隣人の睡眠を妨げないように、夜中はトイレをガマンするか、用だけは足しておいて、朝まで水を流さずに置いておく」などと言うドイツ人管理人の説明に、私はクラクラとメマイがしてしまいました。もっとも、一軒家であれば、上下左右も自分の部屋ですので、この限りではありません。ドイツでは、「夜中のトイレも金次第」のようです。ただし、研究所の近くのアパートには海外からの留学生や研究者や移民が多く、彼らはなかなかのツワモノです。ドイツ語の契約書が理解できないフリをしているのか、本当にドイツ語が理解できないのかは定かではありませんが、我が家でも夜中にジャーッとたくましい音が聞こえてきます。

2.についてですが、日本の家は「夏を旨として建てる」と言われ、夏の暑さや湿気を逃がすために風通しの良い構造になっています。これに対し、ドイツの家はほとんどが建物全体をガンガン暖めるセントラルヒーティングです(ちなみに冷房はありません)。建物は石・レンガ造りで保温性は一応あるものの、部屋の中では発熱体(ヒーター)の付近は暖かくても、ヒーターから離れた場所の温度は低いというように、室温のムラもまた大きいです。また、集合住宅のうち一軒が暖房を切ってしまうと、その上下左右の部屋の温度がガクッと下がるそうです。また、真冬に暖房を完全にオフにすると、ヒーター内を循環する温水が凍結するという事情もあります。このため、冬の長期不在時は暖房を弱くてもオンのままにするよう指示されます。それでも、上下左右の家からは「部屋が寒くなった」とチクチク言われたりします。ただ、不在の間にオンにした暖房の費用はこちらが負担しなければならず、これが結構高くつくのです。ゆえに、暖房の目盛りは頑として「弱」のまま譲らないのは言うまでもありません。

何だか愚痴っぽくなってしまいましたが、要するに日本の(比較的新しい)マンションは壁や配管周りの防音・断熱効果が素晴らしい…(この技術を早くドイツにも導入してほしい!日本のゼネコンの皆様、ビジネスチャンスは欧州にあり、です!)と言うことです。夜中のトイレなんぞは言うに及ばず、日本の洗濯機にはナイトモードがあるということ(=夜中に水を使って良いということ!)をドイツの友人に説明するたびに、みなさん青い目を丸くして驚嘆のため息をついております。

しかし、前置きが長くなりましたが、これが今日の本題ではありません!

私がここで問題提起しようとしているのは「ドイツの住宅事情」ではなく、「断熱材」のほうです。それも、脂肪組織という、「人体の断熱材」についてです。

脂肪組織とは脂肪細胞が集まった組織で、その人体での役割は大きく「エネルギー貯蔵」「保温」「外力からの保護」の三つに分かれます。つまり、非常用電源であり、保温保冷用アルミバッグでもあり、クッションでもあるということですね。その中でも、「熱の不良導体であるため、体熱保存の機能も果たしている」(ブリタニカ国際大百科事典)との記載通り、脂肪組織はまさに人体における断熱材であることがわかります。

そして、この「脂肪組織」こそが、5月末から6月中旬まで撮影が行われ、7月7日に放送を予定している「元祖!大食い王決定戦 2009年夏の新人戦(仮)」(TV東京)のキーワードでもあるのです。

ということで、来週からは「人体の断熱材」を軸に、当番組および大食い選手についての考察を進めていきたいと思います。
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